再発性汎軟骨炎の耳介軟骨の組織学的および組織化学的変化
1年7ヵ月の経過をとり, その間呼吸困難, 気道系各部およびその他の軟骨の病変を繰返し, 最後に肺炎と敗血症を合併して死亡した61歳女子の再発性汎軟骨炎の耳介軟骨を, 耳介の発赤, 腫脹, 激痛のあった死亡1年前と, その後に行われたステロイド療法によって炎症床状の消退した時期の患耳(右)と, 経過中臨床症状を示さなかった左耳の耳介を病理組織学的ならびに酵素組織化学的に検索して次の点を明らかにした. 左耳でも耳介軟骨の周辺部からの破壊, 軽度の円形細胞浸潤を伴う結合組織による置換, 肥厚した軟骨膜内の軟骨再生がみられたが, 残存軟骨は正常に近い組織像を示していた. acid phosphata...
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Veröffentlicht in: | 結合組織 1976, Vol.8 (3), p.157-158 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1年7ヵ月の経過をとり, その間呼吸困難, 気道系各部およびその他の軟骨の病変を繰返し, 最後に肺炎と敗血症を合併して死亡した61歳女子の再発性汎軟骨炎の耳介軟骨を, 耳介の発赤, 腫脹, 激痛のあった死亡1年前と, その後に行われたステロイド療法によって炎症床状の消退した時期の患耳(右)と, 経過中臨床症状を示さなかった左耳の耳介を病理組織学的ならびに酵素組織化学的に検索して次の点を明らかにした. 左耳でも耳介軟骨の周辺部からの破壊, 軽度の円形細胞浸潤を伴う結合組織による置換, 肥厚した軟骨膜内の軟骨再生がみられたが, 残存軟骨は正常に近い組織像を示していた. acid phosphatase(Ac-P)活性は既存の軟骨細胞の一部に活性の増強がみられた. 剖検時の患耳(右)では, 耳介軟骨は再生したエラスチンの異常沈着を示す軟骨からできていて, 正常の軟骨は全く消失してした. toluidine blue(pH4.1)のmetachromasiaはエラスチンの沈着の著しい基質では著しい減弱を示していた. |
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ISSN: | 0916-572X |