尿路結石症における酸性ムコ多糖について
目的及び方法 尿路結石症におけるGAGの役割を調べる為に, 結石, 結石患者尿, 結石腎組織について生化学的, 組織学的検討を行った. GAGの抽出は, 尿では, 岩田らの方法に従い, 対象として健腎尿による影響を避ける為に, 両腎結石患者尿11例をとり, 片腎結石患者尿5例正常尿7例と比較した. 又摘出新鮮結石6個について, 凍結乾燥, freezing millで粉末とし, 10%EDTAで脱灰後, 尿と同様の操作で行った. 抽出したGAGはCarbazole法で, ウロン酸として測定後, 各種GAG組成を, 畑らの二次元電気泳動で分析し, 0.1M Ba-Acによる一次元電気泳動後, デ...
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Veröffentlicht in: | 結合組織 1976, Vol.8 (3), p.144-145 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的及び方法 尿路結石症におけるGAGの役割を調べる為に, 結石, 結石患者尿, 結石腎組織について生化学的, 組織学的検討を行った. GAGの抽出は, 尿では, 岩田らの方法に従い, 対象として健腎尿による影響を避ける為に, 両腎結石患者尿11例をとり, 片腎結石患者尿5例正常尿7例と比較した. 又摘出新鮮結石6個について, 凍結乾燥, freezing millで粉末とし, 10%EDTAで脱灰後, 尿と同様の操作で行った. 抽出したGAGはCarbazole法で, ウロン酸として測定後, 各種GAG組成を, 畑らの二次元電気泳動で分析し, 0.1M Ba-Acによる一次元電気泳動後, デンシトメーターで定量した. Chs-A, ChS-Cは斎藤らの2糖マッピング法に順じ測定した. (結果) (1)結石の薄片標本では, Alcian青陽性物質はStone Matrixとして層状, 同心状, 網状に存在し, その表面, 内部より晶質の析出を認める. 生化学的にはウロン酸は0.29~0.69μmole/D. W. 含み, その組成は, ChS-A, ChS-C, Hsであったがさらにpronase resistantなPAS, Amid Black, Alcian青陽性物質をも認めた. (2)結石腎の組織学的検討では, Alcian青陽性物質は, 尿細管基底膜, 尿細管腔の粘液の一部, 尿細管腔のCa沈着部, 間質結合織増生部に認め, Ca沈着部はChase ABCに抵抗性の染色を示したが, 他の部位は著明に染色性が低下した. (3)両腎結石尿では, 正常尿に比し, Hs, ChS-A, ChS-C, Dsには差を認めず, undersulfate Chに有意の増加を認めた. 以上よりGAGが結石形成に何らかの役割をはたしたことが推測されるが, さらに(1)尿におけるundersulfate Chの増加と結石形成との関連性(2)結石腎のCa沈着部において, Chase ABC抵抗性のAlcian青陽性物質の存在(3)結石においてAlcian青, PAS, Amid Black陽性物質の存在等につきさらに検討が必要であろう. |
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ISSN: | 0916-572X |