紫外線の弾力線維に及ぼす影響に関する電顕的研究

我々は, ヒト皮膚結合組織の電顕的研究を行っているが, 今回はそのうちの弾力線維に対する紫外線の影響について検討した. 材料と方法:正常皮膚(38才, 男子の背部および手背部)の生検材料を2.5%glutaraldehyyde-0.3%tannic acid-1%osmic acid三重固定後, 透過型電顕で観察するとともに, 同一材料を樹脂割断法(田中)で処理し, 臨界点乾燥後, 炭素-金の二重蒸着後, 走査型電顕でも観察した. 観察結果:1)非露出部の成熟弾力線維を透過像でみるとtannic acid非添加時に比べてそのmatrixは電子密度が高くなり, 内部のstrand構造が不明瞭とな...

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Veröffentlicht in:結合組織 1975, Vol.7 (3), p.236-237
Hauptverfasser: 麻上千鳥, 藤田英輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, ヒト皮膚結合組織の電顕的研究を行っているが, 今回はそのうちの弾力線維に対する紫外線の影響について検討した. 材料と方法:正常皮膚(38才, 男子の背部および手背部)の生検材料を2.5%glutaraldehyyde-0.3%tannic acid-1%osmic acid三重固定後, 透過型電顕で観察するとともに, 同一材料を樹脂割断法(田中)で処理し, 臨界点乾燥後, 炭素-金の二重蒸着後, 走査型電顕でも観察した. 観察結果:1)非露出部の成熟弾力線維を透過像でみるとtannic acid非添加時に比べてそのmatrixは電子密度が高くなり, 内部のstrand構造が不明瞭となる傾向がみられた. Elastie fibrilにも, tannic acid非添加時には見られない所見としてその上に珠数玉状に配列した150~200A大の多数の顆粒状物質が認められた. このような珠数玉状のfibrilは弾力線維の辺縁部のみならずhole内にも認められた(Fig. 1).
ISSN:0916-572X