実験的異物性肉芽組織における膠原線維形成と基質酸性ムコ多糖の電顕的観察
研究目的:実験的異物性肉芽組織を用いて, 膠原線維形成と基質酸性ムコ多糖の変化について電顕的ならびに電顕組織化学的方法で, 経時的に観察した. 研究方法:成熟雌白色兎背部皮内にポリウレタンホームスポンジ(2×2×15mm)を無菌的に挿入し, 2, 4, 6時間目, 1, 2, 3, 6, 7, 10, 13, 38, 46, 53, 60日目にスポンジを採取し, 電顕用標本として0.5~1mm角の小片とし, 2.5%グルタールアルデヒド固定後, SHase, THase, Chaseでそれぞれ処理し, 0.1M cacodylate buffer, 1,000PPMルテニウムレッド含有オスミウ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 結合組織 1974, Vol.6 (3), p.215-215 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 研究目的:実験的異物性肉芽組織を用いて, 膠原線維形成と基質酸性ムコ多糖の変化について電顕的ならびに電顕組織化学的方法で, 経時的に観察した. 研究方法:成熟雌白色兎背部皮内にポリウレタンホームスポンジ(2×2×15mm)を無菌的に挿入し, 2, 4, 6時間目, 1, 2, 3, 6, 7, 10, 13, 38, 46, 53, 60日目にスポンジを採取し, 電顕用標本として0.5~1mm角の小片とし, 2.5%グルタールアルデヒド固定後, SHase, THase, Chaseでそれぞれ処理し, 0.1M cacodylate buffer, 1,000PPMルテニウムレッド含有オスミウム液で2時間半固定し, GMA(glycol metharylate)包埋し, 酢酸ウラニール単染後, 電顕で観察した. 研究結果:スポンジ挿入2日目の既成の膠原線維間に各酵素で消化されない血漿蛋白様顆粒物質の滲出がみられた. また, スポンジと既成組織間の水腫部では少量ながら, ヒアルロン酸と思われる微細網工状物質が認められ, この構造物は7日目位迄は増加を示すが, その後減少の傾向が認められた. また, 3日目では線維芽細胞周囲にspaceが認められ, そこに約100Aのプロトコラーゲンと思われる微細線維状物質が分泌されていた. 6日目では線維芽細胞のERは拡張し, 細胞に近接して横紋構造の不完全な, 太さも不定の, 短いコラーゲンフィブリルの形成途上と推定される像がみられた. 7日目のコンドロイチナーゼABC処理後では新生されたコラーゲンフィブリルは横紋が明瞭化していた. 10日目では線維芽細胞の周囲には屈曲性に富み, 比較的疎なフィブリルの集団が出現した. 24日目ではフィブリルは直線性を増し, 平行配列がみられた. また, フィブリルの直径も10日目に比較して太くなっていた. 38日目では新生フィブリルの直径は一定し, 太く, 相互に併列し, 密に集束し, 成熟形を示した. すなわち, コラーゲン線維の成熟には電顕的観察の結果, 約30日以上の経過の必要なことが示された. |
---|---|
ISSN: | 0916-572X |