鞏皮症における皮膚血管の微細構造

汎発性鞏皮症患者5例における指背の硬化した皮膚を生検し, 電顕的に観察した. 真皮の血管における最も顕著な変化は内皮細胞の細胞質内にdense bodyが多数存在することである. dense bodyは比較的小形で, 同じ細胞のミトコンドリアよりも小さく, 形は一般に桿状を呈する. それらの小体は数本~10数本の細管(直径約100A)とそれを包埋する電子密度の高い母質から成り, 細管は小体の長軸に平行に配列している. dense bodyはいずれも単位膜で界されている. そういうdense bodyは毛細血管の内皮細胞では比較的稀にしか認められないが, より太い血管の内皮細胞ではかなり多数見ら...

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Veröffentlicht in:結合組織 1971, Vol.3 (3), p.93-94
Hauptverfasser: 広根孝衛, 福井米正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:汎発性鞏皮症患者5例における指背の硬化した皮膚を生検し, 電顕的に観察した. 真皮の血管における最も顕著な変化は内皮細胞の細胞質内にdense bodyが多数存在することである. dense bodyは比較的小形で, 同じ細胞のミトコンドリアよりも小さく, 形は一般に桿状を呈する. それらの小体は数本~10数本の細管(直径約100A)とそれを包埋する電子密度の高い母質から成り, 細管は小体の長軸に平行に配列している. dense bodyはいずれも単位膜で界されている. そういうdense bodyは毛細血管の内皮細胞では比較的稀にしか認められないが, より太い血管の内皮細胞ではかなり多数見られた. これらのdense bodyの性質や特異性に関する問題は, 現在のところ, 不明である.
ISSN:0916-572X