良導絡の基礎と新しい展開

昭和25年(1950)4月2日, 故中谷義雄(医博)は腎炎患者の皮膚に通電抵抗低下点が連なって現れることを発見した. その後, 病気と皮膚通電抵抗の関係に着目した様々な研究が国内外の諸分野で行われてきた. 現在でも, 皮膚通電抵抗と自律神経(交感神経)機能の関係, 皮膚通電抵抗と東洋医学的現象(経路現象)の関連は検討され続けている. また, それと並行して, 臨床においても皮膚通電抵抗の測定法, 専用カルテの作成法, 診断方法, 治療方法に至るまで, 一連の治療体系が組立てられ, 「良導絡療法」として今日まで発展している. その他, 良導絡だけでなく, 病態と皮膚インピーダンスの関係は皮電点,...

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Veröffentlicht in:日本良導絡自律神経学会雑誌 1999, Vol.44 (9), p.18-18
Hauptverfasser: 左川清次, 遠藤宏, 武内哲郎, 森正祐, 菊井由紀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:昭和25年(1950)4月2日, 故中谷義雄(医博)は腎炎患者の皮膚に通電抵抗低下点が連なって現れることを発見した. その後, 病気と皮膚通電抵抗の関係に着目した様々な研究が国内外の諸分野で行われてきた. 現在でも, 皮膚通電抵抗と自律神経(交感神経)機能の関係, 皮膚通電抵抗と東洋医学的現象(経路現象)の関連は検討され続けている. また, それと並行して, 臨床においても皮膚通電抵抗の測定法, 専用カルテの作成法, 診断方法, 治療方法に至るまで, 一連の治療体系が組立てられ, 「良導絡療法」として今日まで発展している. その他, 良導絡だけでなく, 病態と皮膚インピーダンスの関係は皮電点, 経絡-臓腑機能測定(本山式)など, 多方面においても研究されている. しかし, これらはいずれも良導絡と同じく理論整備においては途上にあるといっても過言ではない. 良導絡療法は医師, 鍼灸師などで組織された学術団体があり, 今日まで数十年に渡り, 医学の発展に貢献してきた. 今後, さらなる貢献の課題としては良導絡療法(臨床)だけではなく, 良導絡医学(学問)を樹立する必要がある. それには, 今日までの良導絡療法を再確認, また従来より臨床で多用され, 学問性を揺るがしてきた「主観的…」と称するものを, 「いかに証明するか」という観点から検討する必要があろう.
ISSN:0913-0977