良導絡測定表による治療の成果

本稿は, 新宿区医師会, 第14回医学懇話会東洋医学研究部門において, 良導絡をご存知でない先生方を対象に発表した内容である. 本会々員に新しく参加された先生方にご参考になればと, 投稿した次第であります. 良導絡をご存じの先生がどのくらいいらっしゃるのかわかりませんが, この治療法は, 今から20年ほど前に故中谷義雄先生によって当医師会でも発表されました. 私はそのころから興味を持ちまして, 東洋医学全般の勉強をいたしてまいりましたが, きょうふたたびそのお話ができますことを非常にうれしく思っております. 良導絡とはどういうことかをざっとお話しをして, 治療法に入ります. 詳しいことはお配りしてある小本をお読みくださるとわかっていただけると思います. 良導絡というのは, 良く電気を導く絡（みちすじ）というわけでこの名前がつけられましたが, この良導絡の電気抵抗を測定しまして, その値をグラフに記入して表を作成し, その表によって自律神経の状態を読み取って, クランケの症状を把握し, 改善しようとする治療法です. 西洋医学では, 脈拍, 血圧とか血液検査などから自律神経の状態を考えますが, 良導絡ではその測定表から自律神経の診断をいたします. 治療として針を刺していくわけです. 針を刺すことによって, リンパ球のT細胞がふえて免疫力が高まり, みずから症状を改善しようとする力をつけていくわけです. 足の三里に針を打ちますと胃が動くのがレントゲンで証明されました. これはテレビで放映されましたが, 足の三里のつぼを正確に探すのには, やはり良導絡を利用して, 反応良導点を見つけるとはっきりいたします. 抵抗力をつけること, 免疫力をより強くすることが良導絡であるとも言えると思います. 父なる西洋医学と母なる東洋医学がそろってこそ完全な医療ができるのではないかと思っています.