入浴のノイロメトリーに及ぼす影響(その1)

良導絡現象は交感神経系と密接な関係があるといわれる. 交感神経系の緊張は血管の収縮を招き, 血行の悪化は代謝異常など様々な障害の原因となる. また, 近年, 複雑な社会環境において, その急激な変化に十分適応することが出来ず, 不定愁訴群を持つ, いわゆる半健康状態ともいう人々が増える傾向にある. これらも自律神経失調症として捉えることが出来るであろう. これらに対して交感神経の状態を知ることは診断, 治療効果の判定に大きな意味を持つ. 良導絡測定(ノイロメトリー)は, 自律神経系の興奮性の変化を, 原穴に相当する部位の皮膚通電抵抗の変化として体表から数値的に捉える方法である. 中谷義雄の研究...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本良導絡自律神経学会雑誌 1987/10/15, Vol.32(10), pp.207-211
Hauptverfasser: 井上, 琢磨, 北出, 利勝, 神野, 英明, フランシスコ, ロザノ, 山下, 茂, 片岡, 聡, 佐子, 幸男, 森川, 和宥, 豊田, 住江, 河内, 明, 兵頭, 正義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:良導絡現象は交感神経系と密接な関係があるといわれる. 交感神経系の緊張は血管の収縮を招き, 血行の悪化は代謝異常など様々な障害の原因となる. また, 近年, 複雑な社会環境において, その急激な変化に十分適応することが出来ず, 不定愁訴群を持つ, いわゆる半健康状態ともいう人々が増える傾向にある. これらも自律神経失調症として捉えることが出来るであろう. これらに対して交感神経の状態を知ることは診断, 治療効果の判定に大きな意味を持つ. 良導絡測定(ノイロメトリー)は, 自律神経系の興奮性の変化を, 原穴に相当する部位の皮膚通電抵抗の変化として体表から数値的に捉える方法である. 中谷義雄の研究によれば, 日常生活のさまざまな因子がノイロメトリーの結果に影響を及ぼすと述べている. 従来, 入浴に関しては, ノイロメトリーが変化する, あるいは, 鍼灸治療の後での入浴は好ましくないなどと, いわれてきた. すなわち入浴は自律神経系, 特に交感神経系に大きな変化をもたらすと考えられる. そこで, 入浴の影響をノイロメトリーを指標として定量的に測定し, さらに鍼灸治療に及ぼす入浴の影響について検討を試みた.
ISSN:0913-0977
1884-7595
DOI:10.17119/ryodoraku1986.32.207