非視覚機能に及ぼす錐体の働きに関する最近の研究動向

「1. はじめに」生理人類学分野における光の非視覚作用に関する研究は, 1990年代初頭に九州芸術工科大学の佐藤方彦らによって始められた. 佐藤らは光の色温度がヒトの生理機能に及ぼす影響を随伴陰性変動(contingent negative variation;CNV), 血圧や臨界フリッカー融合頻度, 心拍変動性などの生理指標を用いて測定した. 彼らは, 高色温度環境下では作業成績は向上せず, CNVや拡張期血圧などは増加し, 高色温度の照明が必ずしも望ましいものではないことを明らかにした. 佐藤らの研究は, 色温度で表される光の分光分布の違いがヒトの生理機能に影響を与えることを実験室実験で...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本生理人類学会誌 2022/02/25, Vol.27(1), pp.1-9
Hauptverfasser: 勝浦, 哲夫, 李, スミン
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」生理人類学分野における光の非視覚作用に関する研究は, 1990年代初頭に九州芸術工科大学の佐藤方彦らによって始められた. 佐藤らは光の色温度がヒトの生理機能に及ぼす影響を随伴陰性変動(contingent negative variation;CNV), 血圧や臨界フリッカー融合頻度, 心拍変動性などの生理指標を用いて測定した. 彼らは, 高色温度環境下では作業成績は向上せず, CNVや拡張期血圧などは増加し, 高色温度の照明が必ずしも望ましいものではないことを明らかにした. 佐藤らの研究は, 色温度で表される光の分光分布の違いがヒトの生理機能に影響を与えることを実験室実験で初めて明らかにしたものであり, 生理人類学分野における光の非視覚作用に関する研究の発展に大きく貢献した.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.27.1_1