前腕部温罨法と密閉式足浴法が皮膚温、皮膚血流量、皮膚血流脈波形および主観的反応に及ぼす影響

「1. 緒言」 医療現揚では, 温浴や温罨法は手軽でコストもかからず, 患者に気持ちがよいといわれ, 危険も少ないためよく行われるケアである. その効果については, 1990年代頃から研究が行われるようになり, 中でも足浴に関する研究は数多く行われている. 先行研究では, 足浴を行なった後には末梢部皮膚温の上昇や末梢血皮膚血流の亢進, 唾液中コルチゾールの低下, 心拍数の減少などを認め, リラックスしたり, 睡眠を促したりする効果があると報告されている1)~10). また, 腰部の温罨法も同様に効果があるという報告がある11)~13). しかし, 足浴は時間の経過と共に湯温が低下しやすいことや...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本生理人類学会誌 2009/05/25, Vol.14(2), pp.81-90
Hauptverfasser: 吉村, 美奈子, 野村, 志保子, 山田, 信一, 森本, 紀巳子, 飯野, 矢住代, 加悦, 美恵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 緒言」 医療現揚では, 温浴や温罨法は手軽でコストもかからず, 患者に気持ちがよいといわれ, 危険も少ないためよく行われるケアである. その効果については, 1990年代頃から研究が行われるようになり, 中でも足浴に関する研究は数多く行われている. 先行研究では, 足浴を行なった後には末梢部皮膚温の上昇や末梢血皮膚血流の亢進, 唾液中コルチゾールの低下, 心拍数の減少などを認め, リラックスしたり, 睡眠を促したりする効果があると報告されている1)~10). また, 腰部の温罨法も同様に効果があるという報告がある11)~13). しかし, 足浴は時間の経過と共に湯温が低下しやすいことや, 加温中に患者が一定の体位を保持しなければならないことなどから, 痛みがある患者や同一体位の保持が困難な患者には容易にできない場合がある. 筆者は, 強い疼痛のために身働きがとれず, 一日のほとんどの時間をベッド上で過ごし, 薬剤を使用しても緩和しなかった患者に対して, 両手指から前腕部を蒸しタオルで温めた温罨法(以下, 前腕部温罨法)を実施した経験がある.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.14.2_81