1-1 日本人成人女子の体温調節反応における暑がりと寒がりの比較
直腸温において, 月経周期による影響は明確ではなかった. 月経周期の影響を捉えるには, 数日の期間を経る必要がある. 一方, 「夕」と「朝」の比較では, 一晩が介在するだけである. このような理由により, 有意な差異がもたらされなかったのであろう. 平均皮膚温および体幹部皮膚温は深部体温に類似した序列を示し, 末梢部皮膚温はその逆となることは, 体温調節において深部と末梢部は互いに補償する関係にあるといえる. 本研究の「暑がり」「寒がり」という区分は, 生理的指標ではなく, 本人の温冷感申告値に基づくものである. それにも拘わらず, 「暑がり」は「寒がり」より低い深部温と低い体幹部皮膚温を有し...
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Veröffentlicht in: | 日本生理人類学会誌 2005, Vol.10 (1), p.30-31 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 直腸温において, 月経周期による影響は明確ではなかった. 月経周期の影響を捉えるには, 数日の期間を経る必要がある. 一方, 「夕」と「朝」の比較では, 一晩が介在するだけである. このような理由により, 有意な差異がもたらされなかったのであろう. 平均皮膚温および体幹部皮膚温は深部体温に類似した序列を示し, 末梢部皮膚温はその逆となることは, 体温調節において深部と末梢部は互いに補償する関係にあるといえる. 本研究の「暑がり」「寒がり」という区分は, 生理的指標ではなく, 本人の温冷感申告値に基づくものである. それにも拘わらず, 「暑がり」は「寒がり」より低い深部温と低い体幹部皮膚温を有し, かつ末梢部皮膚温は高めに維持するといった生理的な懃, を示した. つまり「暑がり」は「寒がり」より身体からの放熱を少なく保ち, その一方で末梢部皮膚温を高く設定して熱収支を調整していることになる. このことは同時に, 冷えによる愁訴が減じられることにつながる. . 直腸温と主要な指標との相関についてみたところ, 「暑がり」は特異的であり, 「中間」と「寒がり」は類似するという二相性を示したことから, 本研究手法は「暑がり」を抽出する上で有効であるということになる. |
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ISSN: | 1342-3215 |