局所極低温刺激が生体組織の温度挙動に及ぼす効果に関する解析的研究第1報生体熱移動方程式と模擬生体組織のシミュレーション

1. はじめに 本研究室では, これまで人間一温熱環境の部位別特性を考慮した生体内温度予測プログラムを開発してきた. 通常の生体組織の熱収支式では, 熱伝導, 産熱, 血流による熱輸送, そして生体と環境との熱授受を考慮すれば達成された. しかし, 組織の凍結現象あるいは融解現象にみられる相変化問題を考えるにはこれらの項だけでは対応できない. そこで本研究では, 組織の相変化問題を考えるにあたり, エンタルピー法による数値解析を試みた. そして, 生体が局所極低温刺激を受けた際の生体組織の温度挙動を予測するプログラムの開発を目指した. 本稿では, その第一段階としてプログラム開発の基本となる生...

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Veröffentlicht in:日本生理人類学会誌 2004, Vol.9 (suppl-2), p.70-71
Hauptverfasser: 馬場裕康, 横山真太郎, 山本憲昭, 柴山大, 清水匡, 阿保大介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 本研究室では, これまで人間一温熱環境の部位別特性を考慮した生体内温度予測プログラムを開発してきた. 通常の生体組織の熱収支式では, 熱伝導, 産熱, 血流による熱輸送, そして生体と環境との熱授受を考慮すれば達成された. しかし, 組織の凍結現象あるいは融解現象にみられる相変化問題を考えるにはこれらの項だけでは対応できない. そこで本研究では, 組織の相変化問題を考えるにあたり, エンタルピー法による数値解析を試みた. そして, 生体が局所極低温刺激を受けた際の生体組織の温度挙動を予測するプログラムの開発を目指した. 本稿では, その第一段階としてプログラム開発の基本となる生体内熱移動方程式について述べる. さらに, このアルゴリズムの有効性を検討するため, 生体組織に近い特性を有する寒天製模擬生体組織についてシミュレーションを行い, 実験結果と比較した. 2. 生体熱移動方程式とその解法 2. 1模擬生体組織の熱収支式 相変化を伴う模擬生体組織の熱収支式は以下の式で表されるとした.
ISSN:1342-3215