嚥下造影検査における低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤の安全性の検討
【目的】嚥下造影検査(Videofluoroscopic examination of swallowing:以下VF)において,低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤を使用した際の安全性を調査する.【方法】2015 年4 月~ 2017 年3 月の期間に,当院入院中もしくは外来通院中にイオパミドール(オイパロミン®)を用いてVFを実施した患者を対象とした.除外基準は,ヨードアレルギー,もしくは重篤な甲状腺疾患のある患者,検査の同意が得られなかった患者とした.造影剤の使用方法は,造影剤を希釈してトロミ剤を添加したものを固形物に混入,または造影剤を希釈したものを水分として経口摂取してもらい嚥下機能を...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 2019/08/31, Vol.23(2), pp.96-101 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】嚥下造影検査(Videofluoroscopic examination of swallowing:以下VF)において,低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤を使用した際の安全性を調査する.【方法】2015 年4 月~ 2017 年3 月の期間に,当院入院中もしくは外来通院中にイオパミドール(オイパロミン®)を用いてVFを実施した患者を対象とした.除外基準は,ヨードアレルギー,もしくは重篤な甲状腺疾患のある患者,検査の同意が得られなかった患者とした.造影剤の使用方法は,造影剤を希釈してトロミ剤を添加したものを固形物に混入,または造影剤を希釈したものを水分として経口摂取してもらい嚥下機能を評価した.調査は対象症例について,検査記録および診療録より後方視的に調査した.調査項目はVF 直後から7 日以内でのイオパミドールの添付文書上に記載されている副作用と,検査後5 日以内の重篤な肺障害合併の発現有無を調査した.また,誤嚥が認められた場合,肺野への造影剤貯留の有無を胸部X 線検査にて評価した.【結果】調査期間中452 例(男性300 例,女性152 例,平均年齢69.4 歳)が対象となった.副作用発現は総計3 例3 項目(0.6%)で掻痒感,頭痛,紅潮が各1 例(0.22%)であったが,重篤な合併症は認められなかった.VF中に誤嚥を認めた患者は53例(11.7%)であったが,肺野への貯留,重篤な肺障害合併は認められなかった.【結論】低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤を使用することで,検査中誤嚥が起きた場合でも合併症はほとんど起こすことなく,重篤な肺障害も起こさないことから,安全にVF を実施することが可能であることが示唆された. |
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ISSN: | 1343-8441 2434-2254 |
DOI: | 10.32136/jsdr.23.2_96 |