新潟県内の病院における摂食嚥下障害の評価およびリハビリテーション診療体制調査

【目的】新潟県内の病院における摂食嚥下障害の評価とリハビリテーション(以下,リハ)の実施状況,診療受け入れが可能な病院の分布を把握し,地域の摂食嚥下障害診療システムを構築するうえでの課題について検討する.【方法】調査期間は 2014年 7月 1日から 8月 30日.新潟県内の全病院に調査用紙を郵送した.内容は,摂食嚥下障害の評価とリハ実施の有無,関わる職種,検査内容,摂食嚥下障害のための特別食の有無・種類,摂食嚥下障害の評価・リハ(評価かリハの一方あるいは両方)の他医療機関からの受け入れ,受け入れ不可能な理由などである.調査結果から,摂食嚥下障害患者の受け入れが可能な病院の分布図を作成した.【...

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Veröffentlicht in:日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 2018/04/30, Vol.22(1), pp.3-11
Hauptverfasser: 張替, 徹, 木村, 慎二, 眞田, 菜緒, 遠藤, 直人, 伊藤, 加代子, 井上, 誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】新潟県内の病院における摂食嚥下障害の評価とリハビリテーション(以下,リハ)の実施状況,診療受け入れが可能な病院の分布を把握し,地域の摂食嚥下障害診療システムを構築するうえでの課題について検討する.【方法】調査期間は 2014年 7月 1日から 8月 30日.新潟県内の全病院に調査用紙を郵送した.内容は,摂食嚥下障害の評価とリハ実施の有無,関わる職種,検査内容,摂食嚥下障害のための特別食の有無・種類,摂食嚥下障害の評価・リハ(評価かリハの一方あるいは両方)の他医療機関からの受け入れ,受け入れ不可能な理由などである.調査結果から,摂食嚥下障害患者の受け入れが可能な病院の分布図を作成した.【結果】 130病院中 120病院(92.3%)から回答を得た.評価は 93病院(回答した 120病院の 77.5%),リハは 83病院(69.2%)で実施されていた.評価・リハに関わる職種は,言語聴覚士が 71病院(評価・リハが実施されていた 94病院の 75.5%),医師 70病院(74.5%),看護師 65病院(69.1%)などであった.嚥下造影検査は 41病院(評価が実施されていた 93病院の 44.1%),嚥下内視鏡検査は 29病院(31.2%)で実施されていた.特別食は 120病院中 94病院(78.3%)で提供されていた.評価・リハの外来での受け入れ意向があったのは 120病院中 47病院(39.2%),入院での受け入れ意向があったのは 60病院(50.0%)であった.受け入れ不可能な理由は,人員の不足,経験・知識の不足,機器の準備がない,などであった.精査(嚥下造影検査か嚥下内視鏡検査の一方あるいは両方)を実施,かつ外来受け入れ意向があったのは 120病院中 33病院(27.5%),入院受け入れ意向があったのは 37病院(30.8%)で,成人の受け入れ可能な病院はすべての二次医療圏に存在したが, 2つの二次医療圏で小児の受け入れ可能な病院がなかった.【結論】新潟県では約 70%の病院で摂食嚥下障害の評価・リハが実施されていたが,他医療機関からの受け入れ可能な病院は 3割程度であった.小児の受け入れ可能な病院がない 2つの二次医療圏の解消が課題である.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.22.1_3