嚥下スクリーニング質問紙EAT-10 暫定版の有用性の検討

嚥下障害の問診を効率よく行うため,質問紙が近年使用されている.われわれは,米国で開発された質問紙,10 の質問項目から構成されているEAT-10 原版(Belafsky ら,2008)を翻訳し,EAT-10 日本語暫定版(以下,EAT-10 暫定版)を作成した.EAT-10暫定版が日本人においても使用可能であるか,また原版と同じく合計得点3 点を嚥下障害疑いありと判定することが妥当であるか,を検討した.対象は回復期リハビリテーション病棟に入院した患者145 名(平均年齢67.8±1.2 歳)で,そのうち医療チームにより,嚥下障害ありと判断されたのは58 名であった.対象患者に,入院2 週間以内...

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Veröffentlicht in:日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 2014/04/30, Vol.18(1), pp.30-36
Hauptverfasser: 渡邉, 光子, 沖田, 啓子, 佐藤, 新介, 瀧本, 泰生, 岡本, 隆嗣, 栢下, 淳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:嚥下障害の問診を効率よく行うため,質問紙が近年使用されている.われわれは,米国で開発された質問紙,10 の質問項目から構成されているEAT-10 原版(Belafsky ら,2008)を翻訳し,EAT-10 日本語暫定版(以下,EAT-10 暫定版)を作成した.EAT-10暫定版が日本人においても使用可能であるか,また原版と同じく合計得点3 点を嚥下障害疑いありと判定することが妥当であるか,を検討した.対象は回復期リハビリテーション病棟に入院した患者145 名(平均年齢67.8±1.2 歳)で,そのうち医療チームにより,嚥下障害ありと判断されたのは58 名であった.対象患者に,入院2 週間以内にEAT-10 暫定版を実施し,合計得点ごとに敏感度と特異度を算出し,嚥下障害疑いありと判定できるカットオフポイントを検討した.医療チームにより嚥下障害ありと判断された患者をもとに,原版で使用している3 点以上にてEAT-10暫定版で判定した場合,対象患者は66 名であり,敏感度77.6%,特異度75.9% であった.以上より,EAT-10 暫定版は,原版同様カットオフポイント3 点以上にて,わが国でも使用することが可能であると考えられた.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.18.1_30