口唇閉鎖訓練が健常女性の脳血行動態ならびに口唇機能に及ぼす影響
本研究では,口唇閉鎖訓練の効果を,脳活動・口唇機能の観点から検討した.健常女性19 名(22.1±2.9 歳)を対象に,口腔リハビリ器具を用いて,口唇閉鎖訓練を4 週間続けて行う(Training)群と同訓練を行わない(Control)群に無作為に分けた.同訓練前後で最大口唇閉鎖力を測定するとともに,口腔リハビリ器具を用いた口唇閉鎖課題および最大口唇閉鎖力50% 保持課題遂行中の脳酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)変化量を,全頭型NIRS(近赤外分光法)測定装置を用いて記録した.最大口唇閉鎖力50% 保持課題では,各被験者の最大口唇閉鎖力の50% の力を維持させた.その結果,Training...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2013/08/31, Vol.17(2), pp.117-125 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では,口唇閉鎖訓練の効果を,脳活動・口唇機能の観点から検討した.健常女性19 名(22.1±2.9 歳)を対象に,口腔リハビリ器具を用いて,口唇閉鎖訓練を4 週間続けて行う(Training)群と同訓練を行わない(Control)群に無作為に分けた.同訓練前後で最大口唇閉鎖力を測定するとともに,口腔リハビリ器具を用いた口唇閉鎖課題および最大口唇閉鎖力50% 保持課題遂行中の脳酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)変化量を,全頭型NIRS(近赤外分光法)測定装置を用いて記録した.最大口唇閉鎖力50% 保持課題では,各被験者の最大口唇閉鎖力の50% の力を維持させた.その結果,Training 群では,最大口唇閉鎖力が増加し最大口唇閉鎖力50% 保持課題における誤差値が有意に縮小した.脳活動では,訓練前においてControl 群およびTraining 群ともに,口唇閉鎖課題時に前頭極,左右背外側前頭前野,補足運動野,および前補足運動野におけるOxy-Hb 変化量が増大した.しかし,同訓練後は,前頭極におけるOxy-Hb変化量がControl 群では増加しなかったのに対し,Training 群では増加した.以上から,口唇閉鎖訓練を継続して行うことにより,口唇閉鎖機能の向上だけでなく,前頭前野の持続的な脳賦活効果が認められた. |
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ISSN: | 1343-8441 2434-2254 |
DOI: | 10.32136/jsdr.17.2_117 |