2-P7-3 退院先施設に対する嚥下機能の情報提供について
【はじめに】 当院の平成21年度の全入院患者630名のうち肺炎治療を主目的に入院された患者は56名である. 誤嚥性肺炎で入退院を繰り返す高齢の患者に対しては退院先施設に嚥下機能の情報を的確に伝達し, 施設側で安全な食事介助や適切な口腔ケアを実施してもらえるかどうかが重要となる. 今回, 退院先施設への情報提供の手法を検討する. 【方法】 1)嚥下造影検査画像を録画したDVD, 2)食事介助時の注意点を記載した情報書, 3)口腔ケアの実施法を記載した情報書を用い, 退院先施設に対して現在の嚥下状況を提供している. また情報提供書と併せて実際に患者に対する食事介助や口腔ケアを見学していただいた上で...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.626-626 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】 当院の平成21年度の全入院患者630名のうち肺炎治療を主目的に入院された患者は56名である. 誤嚥性肺炎で入退院を繰り返す高齢の患者に対しては退院先施設に嚥下機能の情報を的確に伝達し, 施設側で安全な食事介助や適切な口腔ケアを実施してもらえるかどうかが重要となる. 今回, 退院先施設への情報提供の手法を検討する. 【方法】 1)嚥下造影検査画像を録画したDVD, 2)食事介助時の注意点を記載した情報書, 3)口腔ケアの実施法を記載した情報書を用い, 退院先施設に対して現在の嚥下状況を提供している. また情報提供書と併せて実際に患者に対する食事介助や口腔ケアを見学していただいた上で口頭でも説明を行っている. 経口摂取を行っていない患者に対しても必要に応じて3)のみの情報提供を実施している. 【結果】 平成21年8月より情報提供を開始し, 現時点においてこの手法で退院先施設に情報提供を行った事例は8例である. うち誤嚥のリスクがありながらも退院後も施設で3食経口摂取を維持できている対象者は3名, 入院中から経口摂取は行っていないがその後も誤嚥性肺炎を発症することなく生活されている対象者は4名, 入院中から経口摂取は行っていないがその後に誤嚥性肺炎を発症された対象者が1名であった. また8名のうち退院時に施設側からの食事や口腔ケアに対する見学が行われた事例が6例であった. 【考察】 退院先施設に対する情報提供の手法を統一し検査画像の提供や見学の機会を設けることで, 他職種間でも理解しやすい情報提供が可能になったと思われる. 退院先施設との連携を緊密にし, 嚥下機能に関する情報提供の手法の一つとして方向性を示せたことは大変意義深いことである. 今後も積極的に入院中に使用していた嚥下機能の評価スコアなどを退院後も施設側で継続的に評価できるようなシステムを構築し, それが退院後のフォローアップに活用できるような手法を検討していきたいと考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |