2-P6-6 経口移行期における準備期~咽頭期嚥下障害患者の舌接触補助床適応の1例
【はじめに】 舌接触補助床(Palatal Augmentation Prothesis:以後PAP)は舌の欠損や舌運動の障害により, 口腔から咽頭への食塊送り込み不全が認められる症例や構音障害のある症例に対し, 代償手段となる歯科的補綴装置のひとつである. 今回我々は, 脳血管障害により摂食・嚥下障害と構音障害のある症例に対し, 言語聴覚士(以後ST)と連携をとり舌接触補助床を作成. 直接訓練, 間接訓練を行うことにより, 良好な結果が得られたのでここに報告する. 【症例】 79歳女性. 平成9年に脳梗塞の既往. 平成21年9月に一時的に視力喪失し, 右手巧緻性低下, 声も出なくなり, 当院...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.614-614 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】 舌接触補助床(Palatal Augmentation Prothesis:以後PAP)は舌の欠損や舌運動の障害により, 口腔から咽頭への食塊送り込み不全が認められる症例や構音障害のある症例に対し, 代償手段となる歯科的補綴装置のひとつである. 今回我々は, 脳血管障害により摂食・嚥下障害と構音障害のある症例に対し, 言語聴覚士(以後ST)と連携をとり舌接触補助床を作成. 直接訓練, 間接訓練を行うことにより, 良好な結果が得られたのでここに報告する. 【症例】 79歳女性. 平成9年に脳梗塞の既往. 平成21年9月に一時的に視力喪失し, 右手巧緻性低下, 声も出なくなり, 当院受診. MRIで右尾状核頭脳梗塞再発と診断され入院. 8病日に嚥下と構音機能の低下が発現し, 再々発と診断. 入院時, 右不完全麻痺, 嚥下障害(準備期~咽頭期), 運動障害性構音障害を認めた. 【経過】 11病日に義歯が合わないとの主訴にて歯科受診. 上下とも無歯顎であった. 舌の運動範囲;突出で下口唇にぎりぎり届く程度, 左右へは右方向への動きがほとんどみられず, 左へは口角まで可能. 上下の運動はほぼ見受けられなかった. 最長発声持続時間7秒. ラ・カ・ガ行が特に不明瞭であった. RSSTは0~1回/30秒. 嚥下造影検査では, 鼻咽腔閉鎖機能は保たれているものの, 舌の動きが鈍く咽頭への移送が不良で, 嚥下反射惹起遅延も認められた. 舌の運動低下による送り込みの不良と構音障害に対し, PAPを製作. 口蓋部の形態はパラトグラムを用い, STによる構音機能評価も参考に決定した. 入院中, 歯科衛生士による専門的口腔ケア, 構音訓練, 可動域訓練とSTによる直接訓練, 間接訓練も行った. 【結果・考察】 PAP装着と訓練により嚥下機能・構音機能ともに改善がみられた. 今回, STと連携し評価, 訓練を行うことにより, 効果的な摂食・嚥下リハビリテーションを行うことができたと考えられる. |
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ISSN: | 1343-8441 |