2-P2-24 A型食道閉鎖症児への経口摂取訓練を試みた一例
【はじめに】 先天性A型食道閉鎖症では, 食道が途中で離断された状態であり出生直後からの経口摂取ができない. 長期間経口摂取できず疾患の根治がなされた後に経口を再開しても, 過敏の残存, 術後の食道狭窄による拒食への移行も考えられた. そのため予防的に嚥下機能を維持, 獲得へと進めていけるよう術前から経口訓練を行った. 訓練を行うことにより, どのような効果があったか振り返り検討したい. 【症例】 在胎32週4日, 1612gにて出生後当院入院. 診断名:A型食道閉鎖症, ファロー四徴症. A型食道閉鎖症根治術前に33週で胃瘻造設. 49週に他院にてファロー四徴症に対するBTシャント術後, 当...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.563-563 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】 先天性A型食道閉鎖症では, 食道が途中で離断された状態であり出生直後からの経口摂取ができない. 長期間経口摂取できず疾患の根治がなされた後に経口を再開しても, 過敏の残存, 術後の食道狭窄による拒食への移行も考えられた. そのため予防的に嚥下機能を維持, 獲得へと進めていけるよう術前から経口訓練を行った. 訓練を行うことにより, どのような効果があったか振り返り検討したい. 【症例】 在胎32週4日, 1612gにて出生後当院入院. 診断名:A型食道閉鎖症, ファロー四徴症. A型食道閉鎖症根治術前に33週で胃瘻造設. 49週に他院にてファロー四徴症に対するBTシャント術後, 当院へ再入院し, 54週にて食道閉鎖症根治術. 食道閉鎖症根治術までは, 積極的な経口摂取ができないため, その間の訓練として哺乳瓶での経口摂取を1日1回行った. 【経過】 訓練方法として, 1日1回, 白湯または母乳を哺乳瓶にて1人が哺乳介助し, もう1人がNGチューブよりシリンジで常時用手吸引する. 39週から44週までは, 白湯での経口摂取. 45週から退院までの60週は母乳を主体に経口摂取を促した. BT手術のため経口摂取が行われない時期があったが, 訓練再開後, 経口摂取ができるようになった. 誤嚥性肺炎防止のため, 白湯で経口摂取を開始したが, そのうち経口摂取する時間が長くなり, 途中より母乳へ経口摂取を切り替えた. 母乳での経口摂取により経口摂取時間の短縮と経口量も増えた. また術後の食道狭窄を起こすことはなかった. 【考察】 早期からの経口摂取を続けることで口腔内の過敏性を除去し, 口腔内への経験不足を解消できた. 母乳による経口摂取を行うことで味覚刺激となり, より吸啜を促すことができた. これらの結果から, 哺乳反射による嚥下機能の維持と成人嚥下機能獲得に向けた援助ができたと考えられる. |
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ISSN: | 1343-8441 |