2-P2-22 哺乳に関する問題を主訴として来院した症例の指導について

【緒言】 哺乳指導は発育にとって極めて重要である. 早期から専門的管理下において哺乳指導から離乳指導へ移行できれば, 保護者の育児不安の軽減となり, 児にとって良い環境作りにもつながる. 今回, 哺乳に問題を抱える症例を経験したので紹介する. 【症例】 症例1:主たる障害は脳幹部障害の疑いであった. 在胎27週3日, 体重823gにて出生した. 初診時月齢7カ月(修正月齢4カ月), 身長61.5cm, 体重5510gであった. 主治医より800ml/日の摂取量が必要との指示をうけたが, 哺乳にて摂取可能量は300mlであったため, 500mlを経鼻経管より摂取していた. 原始反射は(±)であり...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.562-562
Hauptverfasser: 竹蓋菜穂, 野本たかと, 加藤英理, 村上芽梨, 仁平暢子, 林佐智代, 妻鹿純一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】 哺乳指導は発育にとって極めて重要である. 早期から専門的管理下において哺乳指導から離乳指導へ移行できれば, 保護者の育児不安の軽減となり, 児にとって良い環境作りにもつながる. 今回, 哺乳に問題を抱える症例を経験したので紹介する. 【症例】 症例1:主たる障害は脳幹部障害の疑いであった. 在胎27週3日, 体重823gにて出生した. 初診時月齢7カ月(修正月齢4カ月), 身長61.5cm, 体重5510gであった. 主治医より800ml/日の摂取量が必要との指示をうけたが, 哺乳にて摂取可能量は300mlであったため, 500mlを経鼻経管より摂取していた. 原始反射は(±)であり, 呼吸状態は常に喘鳴が認められ不良であった. 初診時の評価では, 吸啜圧が低いため, 哺乳ビンの乳首および姿勢について指導を行った. 指導1カ月後には, 哺乳にて摂取可能量が650mlに増加し, 身体的成長も認められ, 主治医の指示により経鼻経管を抜去し, 哺乳のみとなった. 症例2:主たる障害は, 二分脊椎でArnold-Chiari奇形および水頭症を合併していた. 出生後, 開放性脊髄膜瘤のためNICUにて管理され, その間に呼吸障害悪化のためシャント手術を施行した. 初診時年齢6カ月, 身長60.0cm, 体重5800gであった. 主治医より唾液の嚥下が確認できてから経口摂取するよう指示され, 生後5カ月までは経管栄養を行っていた. 原始反射は(+)であった. 初診時の評価では, 吸啜圧は良好であり哺乳ビンの乳首が柔らかいため, 硬めの物に変えるように指導した. 【考察】 2症例とも呼吸障害をともなっており, 姿勢の改善や哺乳方法の指導により体重増加を得ることができ, 専門的に早期に介入し, 哺乳指導から離乳指導へ移行することは保護者の育児負担の軽減や児の健やかな発育の一助となると考えられた.
ISSN:1343-8441