2-P1-23 歯科衛生士が実施する新規採用看護師口腔ケアガイダンス

【背景】 当院は, 名古屋市南西部に位置し, 診療科27科, 病床数662床, 救命救急センターを有する基幹病院として1次から3次に至る救急患者を受け入れている. 従来から当院における口腔ケアは各病棟において看護師により実施されていた. 平成17年より, 看護師が口腔ケアを行う際に困難と判断した患者に対して, 歯科衛生士が専門的口腔ケアを実施し, また口腔ケアへの理解を深め重要性を認識してもらうことを目的に, 各病棟単位やNST実践委員を対象に口腔ケア勉強会を開催してきた. 平成18年より看護部からの要望を受けて, 新規採用者を対象とする口腔ケアガイダンスを開始したので今回は, その内容に若干の考察を加えて報告する. 【実施方法および内容】 1. 対象:新規採用看護師28名～39名, 2. 実施時期:毎年年度始め, 午後からの約1時間, 3. ガイダンスの流れ:口腔ケアについての説明, 口腔ケア用品の紹介, 口腔ケア依頼方法の説明(20分), 実習(40分), 4. アンケート調査の実施 【結果とまとめ】 アンケート調査から口腔ケアについての理解が得られ, 実際の業務の中で活かしていきたいとの意見が多くあった. また, オブラートやきなこ, シルキーテックス(ALCARE)やハリケインゲル((株)サンデンタル)を使用し, 患者の口腔環境を再現し体験することにより口腔ケアの重要性を認識し, 関心が高まったのではないかと推測される. 新規採用者オリエンテーション時に口腔ケアガイダンスを行うことは, 病棟で看護師との連携を深めていくために重要な機会である. 比較的簡便により質の高い口腔ケアを行うためには, 患者の様々な口腔環境に対応する知識と技術が必要と考えるので, 今後も患者一人一人に合わせた口腔ケアを提供するべく啓発に努めていきたい.