2-6-16 東京武蔵野病院(精神科病院)における嚥下障害の概要
【はじめに】 東京武蔵野病院は精神科637床, 一般科(内科, 外科等)49床の精神科病院である. 当院の入院患者でも, 統合失調症患者を中心に嚥下障害が頻発している. 統合失調症ではその治療薬の抗精神病薬の副作用で嚥下障害が生じるが, その病態に不明な点も多い. 本発表では, 当院の患者の嚥下障害の概要を報告する. 【対象】 2008年4月から2010年3月の間に, 嚥下障害の評価あるいはリハビリテーションを目的に当院の歯科口腔外科受診をした当院の入院あるいは外来患者173例を対象とした. 男性:89例, 女性:84例で, 平均年齢は72.1歳(37~94歳)であった. 【嚥下障害患者の概要...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.520-520 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】 東京武蔵野病院は精神科637床, 一般科(内科, 外科等)49床の精神科病院である. 当院の入院患者でも, 統合失調症患者を中心に嚥下障害が頻発している. 統合失調症ではその治療薬の抗精神病薬の副作用で嚥下障害が生じるが, その病態に不明な点も多い. 本発表では, 当院の患者の嚥下障害の概要を報告する. 【対象】 2008年4月から2010年3月の間に, 嚥下障害の評価あるいはリハビリテーションを目的に当院の歯科口腔外科受診をした当院の入院あるいは外来患者173例を対象とした. 男性:89例, 女性:84例で, 平均年齢は72.1歳(37~94歳)であった. 【嚥下障害患者の概要】 入院患者が167例(96.5%)と大多数を占めていた. 主な基礎疾患の内訳は, 統合失調症:148例(85.5%), うつ病:5例(2.9%), 認知症:5例(2.9%), 脳梗塞:8例(4.6%), その他:7例(4.0%)と, 統合失調症が大多数を占めていた. また, 歯科口腔外科を受診した理由は, 誤嚥性肺炎:57例(32.9%), 食事時・飲水時のムセ:28例(16.2%)と, 咽頭期の障害が考えられる症状が多かった. 歯科口腔外科初診時の食形態は, 経口栄養:101例(58.4%), 経管栄養:59例(34.1%), 経管栄養と経口栄養の併用:13例(7.5%)と, 経口栄養が過半数を占めていた. 【まとめ】 精神科の嚥下障害も他科のそれと同様に, 誤嚥性肺炎への対応や栄養管理に苦慮することが多い. 当院でも, 歯科医師, 歯科衛生士, 作業療法士, 管理栄養士, 看護師等による多職種が連携して嚥下障害に対応している. 嚥下機能評価からリハビリテーションに至るまで, 各専門職種が全体を通して関わることで状態を把握し, 摂食・嚥下リハビリテーションを行っている. |
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ISSN: | 1343-8441 |