1-P6-13 急性期脳卒中患者における嚥下訓練食への取り組み
【目的】 急性期脳卒中患者に対する嚥下訓練において, 変わりやすい意識レベルや嚥下障害の重症度に応じた適切な食形態の迅速な選択が重要である. 今回, 段階別嚥下訓練食の作成ならびに嚥下造影(VF)食の見直しを行ったのでその効果を検討し報告する. 【対象と方法】 嚥下訓練食を従来の1食種から5食種へ改訂し, メニューや物性について医師, 言語聴覚士, 管理栄養士で検討した. VF食のうち形状の安定化が難しいゼリーは, 簡便性と安全性を重視し粉末ゼリーの素(ヴィタッチゼリータイプ:レシピ計画(株))にバリウムと白湯を添加し, 適正物性をクリープメーターにて測定し使用した. 対象者は, 移行期間を除...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.461-461 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 急性期脳卒中患者に対する嚥下訓練において, 変わりやすい意識レベルや嚥下障害の重症度に応じた適切な食形態の迅速な選択が重要である. 今回, 段階別嚥下訓練食の作成ならびに嚥下造影(VF)食の見直しを行ったのでその効果を検討し報告する. 【対象と方法】 嚥下訓練食を従来の1食種から5食種へ改訂し, メニューや物性について医師, 言語聴覚士, 管理栄養士で検討した. VF食のうち形状の安定化が難しいゼリーは, 簡便性と安全性を重視し粉末ゼリーの素(ヴィタッチゼリータイプ:レシピ計画(株))にバリウムと白湯を添加し, 適正物性をクリープメーターにて測定し使用した. 対象者は, 移行期間を除いた2009年5~7月(変更前)と2009年9~11月(変更後)に入院した急性期脳卒中患者134人で, 言語聴覚士が介入した嚥下障害を有する患者を抽出し変更前後の嚥下訓練中の食種選択, 誤嚥性肺炎罹患率, 在院日数について比較検討した. 【結果】 嚥下訓練食の1食の品数は, 開始食2品, 1は4品, 2は5品, 3および移行食は6品とした. VFに用いるゼリーの物性は粉末ゼリーの素20g, 白湯75ml, バリウム15gのとき, かたさ応力5400N/m2, 凝集性0.35, 付着性340J/m3となり, 嚥下訓練1と同等であった. 言語聴覚士介入患者は118/134人(88%)で, そのうち経口摂取が開始された患者は変更前41/61人(67%)人, 変更後46/57人(81%)であった. 嚥下訓練食提供は変更前16/41(39%)人から変更後23/46人(50%)と増加し, 症例毎の嚥下機能レベルが明確となった. いずれの期間も嚥下訓練食実施中の誤嚥性肺炎の発症はみられなかった. 在院日数は, 18.5±12.4日から19.0±11.1日と変化は認めなかった. 【結語】 急性期脳卒中患者において意識レベルや嚥下機能に対応した嚥下訓練食は重要であり迅速な対応により嚥下訓練の安全性に有効と考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |