1-P3-7 若年者および高齢者における食形態の異なる肉加工品の好ましさの比較

【目的】 多くの高齢者・医療施設では, 咀嚼力が低下した喫食者の食事改善に対して, 「きざみ食」や, きざみ食にとろみ調整食品やゼリー化補助剤などを使用した「きざみとろみ食」を提供することでテクスチャーの調整を行っている. 一方, 弊社では, 食材をミキシングしたゼリー様食品をやわらかマザーフード(以下, やわらかMF)として摂食機能が低下した高齢者に対し, より食べやすい食事の提供を行っている. 今回, 食形態の異なる4種の肉加工品について, テクスチャー特性の測定と若年者および元気高齢者を対象に官能評価を実施し, 好ましさの比較を行った. 【方法】 試料には国産豚ロース肉を使用し, 4段階...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.419-419
Hauptverfasser: 品川喜代美, 高戸良之, 岩崎裕子, 高橋智子, 大越ひろ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】 多くの高齢者・医療施設では, 咀嚼力が低下した喫食者の食事改善に対して, 「きざみ食」や, きざみ食にとろみ調整食品やゼリー化補助剤などを使用した「きざみとろみ食」を提供することでテクスチャーの調整を行っている. 一方, 弊社では, 食材をミキシングしたゼリー様食品をやわらかマザーフード(以下, やわらかMF)として摂食機能が低下した高齢者に対し, より食べやすい食事の提供を行っている. 今回, 食形態の異なる4種の肉加工品について, テクスチャー特性の測定と若年者および元気高齢者を対象に官能評価を実施し, 好ましさの比較を行った. 【方法】 試料には国産豚ロース肉を使用し, 4段階の食形態に調製した. すなわち, 重ね肉, きざみ肉(5mm以下に破砕), きざみとろみ肉(きざみ肉にとろみ調整食品を混合したもの), および肉ゼリーである. 肉ゼリーはミキサーを用い, きざみ肉に水分を加えて滑らかにし, ゼリー溶液と混合して調製した. 4種の肉加工品についてのテクスチャー特性は, クリープメーター(株式会社山電社)を用いて測定した. 若年者および元気高齢者を対象に, 官能評価(順位法)を実施した. 【結果】 テクスチャー特性の硬さは, 重ね肉が最も硬く, 肉ゼリーが最も軟らかかった. 官能評価において, 肉ゼリーは, 若年者および高齢者ともに最もばらつきにくく, 飲み込みやすく, 残留感が少なく, きざみ肉は, 最もばらつきやすく, 飲み込みにくく, 残留感が多いと評価された. 好ましいかたさおよび総合評価では, 若年者では重ね肉, 高齢者ではきざみとろみ肉が最も好ましく, 肉ゼリーは若年者および高齢者で, 最も好ましくないと評価された. 【考察】 若年者では, テクスチャーが最も硬い重ね肉が, 最も好ましく, 高齢者では, 歯茎でつぶせる程度の硬さであるきざみとろみ肉が最も好ましいと評価された. 高齢者は, 若年者に比べて軟らかく加工された形態を好む傾向が示された.
ISSN:1343-8441