1-P2-12 療養病棟担当言語聴覚士の配置が嚥下診療に及ぼす効果
【はじめに】 療養病棟は急性期病棟や回復期病棟と比較し長期間に渡って入院生活を送る患者が多く, 嚥下治療を継続的に実施する必要がある. 当院では療養病棟の嚥下治療を充実させるべく, 2008年度から療養病棟担当言語聴覚士(ST)を配置した. 病棟担当ST配置が嚥下診療にどのような変化をもたらしたか検討した. 【対象と方法】 2007年4月1日から2010年3月31日までの3年間に当院療養病棟に在院した入院患者を対象とした. 病棟にSTが配置されていなかった2007年度と, 配置後の2008年度・2009年度に分けて, 嚥下検査(嚥下内視鏡・嚥下造影)実施数・肺炎発生数を比較・検討した. 【結果...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.408-409 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】 療養病棟は急性期病棟や回復期病棟と比較し長期間に渡って入院生活を送る患者が多く, 嚥下治療を継続的に実施する必要がある. 当院では療養病棟の嚥下治療を充実させるべく, 2008年度から療養病棟担当言語聴覚士(ST)を配置した. 病棟担当ST配置が嚥下診療にどのような変化をもたらしたか検討した. 【対象と方法】 2007年4月1日から2010年3月31日までの3年間に当院療養病棟に在院した入院患者を対象とした. 病棟にSTが配置されていなかった2007年度と, 配置後の2008年度・2009年度に分けて, 嚥下検査(嚥下内視鏡・嚥下造影)実施数・肺炎発生数を比較・検討した. 【結果】 各年度で入院患者の平均年齢・基礎疾患には大きな違いがなかった. 新規入院時に嚥下検査が実施された割合は増加していた(2007年度新規入院数の25%;2008年度同34%;2009年度同47%). 一度嚥下検査を実施した患者に対する再検査実施数も増加がみられた(6件;14件;29件). 新規入院時・再検査をあわせた嚥下検査実施数全体も増加していた(35件;50件;57件). さらに転院を要する肺炎発生数が減少していた(8件;6件;5件). 【考察】 病棟担当STの配置に伴い病棟でSTが活動する時間が長くなり, 入院患者の食事場面等に接する機会が増加したことで, STから嚥下機能評価の依頼が出されることが多くなったと考えられた. 検査実施数が増加し, 患者がSTによる嚥下訓練を受ける機会も増加し, さらに継続した評価に繋げられるようになったと考えられた. また, 病棟の看護師・介護職とST間での情報共有が進み, 嚥下障害に対し病棟職員とリハビリ技師がチームとして対応することが容易になり, 嚥下治療の質が向上した可能性が考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |