1-P1-17 回復期病院を退院した摂食・嚥下障害患者に関する実態調査

【はじめに】 摂食・嚥下障害を有していた患者の退院後の状態について知る機会は少ない. そこで, 退院先へアンケート用紙を配付し, その結果を踏まえ, 回復期病棟での今後の課題を検討した. 【対象と方法】 対象は2008年10月~2009年10月に当院回復期リハ病棟(126床)を退院した, 脳血管障害による摂食・嚥下障害患者99名(回復期リハ病棟退院患者全体の18.0%)中, 入院中の食事形態・水分ともに調整が必要(経管栄養も含む)であった, 34名(男性21名, 女性13名, 平均年齢76.5歳)である. 28箇所(老健14, 療養病院6, 居宅7, その他1)の摂食・嚥下の担当者に対して,...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.398-398
Hauptverfasser: 君島恵, 有馬玲子, 松宮英彦, 水間正澄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【はじめに】 摂食・嚥下障害を有していた患者の退院後の状態について知る機会は少ない. そこで, 退院先へアンケート用紙を配付し, その結果を踏まえ, 回復期病棟での今後の課題を検討した. 【対象と方法】 対象は2008年10月~2009年10月に当院回復期リハ病棟(126床)を退院した, 脳血管障害による摂食・嚥下障害患者99名(回復期リハ病棟退院患者全体の18.0%)中, 入院中の食事形態・水分ともに調整が必要(経管栄養も含む)であった, 34名(男性21名, 女性13名, 平均年齢76.5歳)である. 28箇所(老健14, 療養病院6, 居宅7, その他1)の摂食・嚥下の担当者に対して, 摂取形態, 肺炎罹患の有無, STの有無, 施設の食事形態についてのアンケート用紙を送付し, 回収した. 藤島の摂食状況のレベル, FIM, 退院先との関連について分析した. 【結果】 回収率は73.5%. 摂食状況のレベルは, 当院退院時の平均は6.6で, 退院先別にみると, 老健7.7, 居宅7.5, 療養病院3.1である. 摂食状況のレベルの変化率は, 改善12%, 不変64%, 低下24%であり, 低下群の6名中2名は肺炎を発症しており, いずれも当院での誤嚥性肺炎の既往を認める. 退院先については, 摂食状況のレベル, FIMがともに低い患者では, 療養病院へ転院する傾向が高い. また, STが勤務しているのは, 28箇所中7箇所であり, ソフト食を提供しているのは19施設所中7施設である. 【考察】 摂食状況の変化率は「不変」が最も多く, 当院退院後, ソフト食も含め, 継続した食事形態の提供が可能であったと考えられる. しかし, 周辺施設ではSTは少なく, STがいない施設では, 状態にあわせた適切な評価ができず, 食事形態の変更がされないケースも予想される. 当院では, 2009年1月より嚥下外来を開設しており, 嚥下外来との連携により, 長期的なフォローアップが望まれる.
ISSN:1343-8441