1-5-2 当院におけるとろみ剤の選択に関する嚥下造影検査を含めた比較・検討
【目的】 当院では, 数年間にわたって変更なく同一のとろみ剤(以下とろみ剤A)を使用してきた. しかし看護師, 家族また摂食・嚥下リハビリテーション担当医師から, 溶解し難い点や味の変化について意見があった. そこで, とろみ剤を管理栄養士で選択し, その旨を給食運営委員会で報告したが, コスト面や, 商品変更の根拠が不足しており, 必要性が理解されなかった. 今回嚥下造影検査(以下VF検査)も用いてとろみ剤の検討を行い, 適切と思われるとろみ剤に変更することができたのでその経緯を報告する. 【方法】 まず主成分や価格を比較して8種類のとろみ剤を選択した. さらに, 実際に溶解度を比較して,...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.351-351 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 当院では, 数年間にわたって変更なく同一のとろみ剤(以下とろみ剤A)を使用してきた. しかし看護師, 家族また摂食・嚥下リハビリテーション担当医師から, 溶解し難い点や味の変化について意見があった. そこで, とろみ剤を管理栄養士で選択し, その旨を給食運営委員会で報告したが, コスト面や, 商品変更の根拠が不足しており, 必要性が理解されなかった. 今回嚥下造影検査(以下VF検査)も用いてとろみ剤の検討を行い, 適切と思われるとろみ剤に変更することができたのでその経緯を報告する. 【方法】 まず主成分や価格を比較して8種類のとろみ剤を選択した. さらに, 実際に溶解度を比較して, 最終的につるりんこ(R)とスルーキングi(R)の2種類に絞り, 昨年の本学会で良好の報告があったトロメイク(R)を加え3種類で比較検討することにした. 病棟看護師にはサンプルを提供し, 溶解度や風味の変化の有無等についてアンケートを募った. また, とろみ剤Aを加えた4種類で病院職員が被験者となり, VF検査を行い食塊形成や口腔期から咽頭期への移行の様子を評価した. さらに付着性や味の変化など被験者による主観的な評価を加えて検討を行った. 【結果】 アンケートの点数ではつるりんこ(R)の評価が最も高かったが, 食感や混合後の性状の点からは, スルーキングi(R)も良い評価を得ることができた. VF検査の結果では上記評価項目で比較検討を行った結果, スルーキングi(R)の評価が高かった. こうして二種類の検討を行った結果当院ではスルーキングi(R)に変更することに至った. 【考察】 とろみ剤を比較検討していく中で, とろみ加減を測定する機器が統一されていない現状を知り, 基準を判断することが困難であった. そのためアンケートによる主観的評価, またVF検査による客観的評価と多角的に検討を行ったことは, 今回当院にとって, とろみ剤の変更に有用であった. |
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ISSN: | 1343-8441 |