1-3-25 脳卒中病棟におけるベッドサイドスクリーニングの妥当性
【背景】 嚥下障害は脳卒中患者において, 誤嚥性肺炎の発症, 在院期間の延長につながる重要な問題である. 延髄外側症候群を除いて, 病変部位より嚥下障害の重症度を予測することは困難である. 【目的】 今回我々は脳卒中病変部位とベッドサイドスクリーニング評価との関連性について調査したのでここに報告する. 【対象】 2007年5月1日~2008年6月30日までに聖マリアンナ医科大学西部病院に入院した脳卒中患者のうち, 当院STによるベッドサイドスクリーニング評価, および嚥下内視鏡検査(VE)を施行した32例(男性:22例, 女性:10例)を対象とした. 平均年齢は71.5歳, 基礎疾患の内訳は脳...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.337-337 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景】 嚥下障害は脳卒中患者において, 誤嚥性肺炎の発症, 在院期間の延長につながる重要な問題である. 延髄外側症候群を除いて, 病変部位より嚥下障害の重症度を予測することは困難である. 【目的】 今回我々は脳卒中病変部位とベッドサイドスクリーニング評価との関連性について調査したのでここに報告する. 【対象】 2007年5月1日~2008年6月30日までに聖マリアンナ医科大学西部病院に入院した脳卒中患者のうち, 当院STによるベッドサイドスクリーニング評価, および嚥下内視鏡検査(VE)を施行した32例(男性:22例, 女性:10例)を対象とした. 平均年齢は71.5歳, 基礎疾患の内訳は脳梗塞27例, 脳出血5例であった. 【方法】 スクリーニング評価は意識レベルがGCSにてE4以上で自己喀痰可能になった時点で, 発話明瞭度により分類し, 水10ml, ゼリー2.5ml, 5mlを用いて, フローチャート方式で食事形態を決定し, その後嚥下内視鏡検査の結果で過大評価群, 過小評価群, 評価一致群の3群に分類した. 病巣は左右, テント上・下, および前頭葉, 頭頂葉, 側頭葉, 後頭葉, 島皮質, 視床, 内包, 基底核, 小脳, 脳幹, 延髄外側の11箇所に分類した. 【結果】 左右の比較では, 左側の病変が過小評価しやすい傾向にあった. テント上・テント下との比較では, それぞれの群において有意差は認められなかった. 各病巣評価においては基底核にて評価一致群が過小評価群, 過大評価群よりも有意差を持って多く認められた. また, 前頭葉でも評価一致群が他の評価群よりも多い傾向にあった. 【考案】 左側の病変が過小評価しやすい傾向にあったのは, 失語のために意思疎通が困難なため, 評価者が確信を持った評価に結びつかなかった可能性が考えられた. 基底核にて評価一致群が過小評価群, 過大評価群よりも有意に多く認められたのは, 失語, 空間無視などの高次脳機能障害に影響されず, 純粋な運動機能障害を評価できた可能性が考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |