EM1 【理学療法士・作業療法士・言語聴覚士】 生活の中の食支援をチームで考える─「東京都北多摩西部保健医療圏 摂食・嚥下機能支援事業」に参加して見えてきたこと
在宅におけるリハビリテーション(以下リハ)を考える時, リハビリテーション病院施設協会が2001年に示した地域リハビリテーションの定義を思い起こしたい. 『障害のある人々や高齢者およびその家族が住み慣れた所で, そこに住む人々とともに, 一生安全に, いきいきとした生活が送れるよう, 医療や保健, 福祉及び生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動の全てを言う.』これを在宅の摂食・嚥下障害者にあてはめてみる. まず本人の思いと家族の状況を見極めたうえで, 本人と家族を支える全ての医療・介護職種とともに, 誤嚥性肺炎などが起こらないように安全に, 活...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2010, Vol.14 (3), p.301-302 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 在宅におけるリハビリテーション(以下リハ)を考える時, リハビリテーション病院施設協会が2001年に示した地域リハビリテーションの定義を思い起こしたい. 『障害のある人々や高齢者およびその家族が住み慣れた所で, そこに住む人々とともに, 一生安全に, いきいきとした生活が送れるよう, 医療や保健, 福祉及び生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動の全てを言う.』これを在宅の摂食・嚥下障害者にあてはめてみる. まず本人の思いと家族の状況を見極めたうえで, 本人と家族を支える全ての医療・介護職種とともに, 誤嚥性肺炎などが起こらないように安全に, 活き活きと, 生活の中の食の支援を行うこと. それが言語聴覚士, 理学療法士および作業療法士(以下セラピスト)に求められている. しかし在宅の現場では, セラピストが何をする職種かも十分知られていない. また, 嚥下リハは「パタカラ」を言わせること程度の認識であることが多々あり, これが現状である. このような状況を前提に, セラピストの役割についてリハビリテーション病院施設協会の提示する3つの取り組みから考えてみると次のようになる. 1)食べたい・食べさせたい, というQOLを高めるため, 本人と家族へ対する訓練や指導, 環境調整を行う. (直接的援助) 2)本人, 家族に加え関わる多職種がゴールを共有し, 誰がどのようにアプローチするのがいいのか, について積極的に情報や意見を交換し, チームで連携しすすめる. (組織化活動) 3)摂食・嚥下という機能を支える, 全身の体力やコミュニケーション能力, 全般的な精神活動性に着目し, それに影響する在宅という環境にどう介入するかについてセラピストの視点で発信する. そして障害やアプローチについて理解を促し深める(教育啓発活動). 次に演者が関わった事例を紹介し, 在宅ならではの特性をまとめてみたい. また演者の勤務する圏域の東京都多摩立川保健所が4年越しで地域でのシステムの構築を目指した「摂食・嚥下機能支援事業」にふれ, 嚥下リハチームの中での言語聴覚士(ST)の役割や情報提供のあり方などについて考えたい. 最後に生活の中の食支援はどうあるべきかについて参加者と意見交換しながら, 在宅におけるチームアプローチの限界を認識しつつも, 新たな可能性を実感する機会としたい. |
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ISSN: | 1343-8441 |