II-P5-16 胃瘻からの固形化注入時の介護負担にウルトラ寒天が与える影響
【背景】胃瘻注入において逆流を予防したり注入時間を短縮する目的で寒天による固形化注入を用いることがある. 胃瘻に用いる機材によっては注入ルートに狭窄部分があるため寒天注入時に強い抵抗が感じられる. 当院では固形化注入手技導入に伴い複数の職員が腱鞘炎になってしまった. そこで固形化注入の条件を満たしながら注入の介護負担を軽減するために伊那食品工業の介護用ウルトラ寒天を導入し良好な結果を得たので報告する. 【方法】実験と業務変更後のアンケートを行った. 実験1:従来の寒天とウルトラ寒天をそれぞれ50ccシリンジに詰め注入時の抵抗を計測した. 実際に業務を行っている職員が快適なスピードで注入した....
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.544-545 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景】胃瘻注入において逆流を予防したり注入時間を短縮する目的で寒天による固形化注入を用いることがある. 胃瘻に用いる機材によっては注入ルートに狭窄部分があるため寒天注入時に強い抵抗が感じられる. 当院では固形化注入手技導入に伴い複数の職員が腱鞘炎になってしまった. そこで固形化注入の条件を満たしながら注入の介護負担を軽減するために伊那食品工業の介護用ウルトラ寒天を導入し良好な結果を得たので報告する. 【方法】実験と業務変更後のアンケートを行った. 実験1:従来の寒天とウルトラ寒天をそれぞれ50ccシリンジに詰め注入時の抵抗を計測した. 実際に業務を行っている職員が快適なスピードで注入した. 実験2:胃瘻キットを通した従来の寒天とウルトラ寒天を水中でかき混ぜ水中に溶け出す栄養剤を観察した. アンケート:従来の寒天からウルトラ寒天に変更したことで変化があったかアンケートをとった. 【結果】実験1:ウルトラ寒天は従来の寒天の1/3~1/5の抵抗であった. 実験2:肉眼的観察で溶け出し方に違いがあった. アンケート:7割の職員が注入手技による負担は軽くなったと回答した. 負担が重くなったと答えた職員はいなかった. 【考察】ウルトラ寒天は寒天繊維が短いため狭いルートを通しても構造が壊れにくい. このことが抵抗を低下させ栄養剤の溶け出しを抑制する因子となる. ウルトラ寒天の導入後2年が経過したが腱鞘炎になる職員はいなかった. またシリンジに詰める手技が効率的になり注入にかかる時間が短縮された. 現在寒天注入はすべてウルトラ寒天に統一している. 患者はもちろんのこと職員も守る業務作りを追求することが退院後の患者の環境を守ることになる. |
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ISSN: | 1343-8441 |