II-P2-23 誤嚥性肺炎再発後の嚥下機能の変化

【目的】2年間で誤嚥性肺炎を2回以上発症した例の1回目(以下A1)と2回目(以下A2)を比較し, 嚥下機能改善度を検討する. 【対象】平成19年1月~平成20年12月で誤嚥性肺炎にて入院し, STによる訓練開始となった87名中, 誤嚥性肺炎2回以上発症例は15名だった. そのうち2回とも当院入院だった患者11名(81±11歳). 【方法】嚥下カンファレンスシートおよびカルテからA1からA2までの期間, 入院期間, 退院先, 移動能力, 訓練期間, 内容, 摂食状態を情報収集し, A1とA2を比較検討した. 【結果】A1からA2までの期間は136(中央値33)日だった. A1の入院期間22±15...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.513-513
Hauptverfasser: 柘植さやか, 小口和代, 稲本陽子, 保田祥代, 江崎貞治, 田中貴志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】2年間で誤嚥性肺炎を2回以上発症した例の1回目(以下A1)と2回目(以下A2)を比較し, 嚥下機能改善度を検討する. 【対象】平成19年1月~平成20年12月で誤嚥性肺炎にて入院し, STによる訓練開始となった87名中, 誤嚥性肺炎2回以上発症例は15名だった. そのうち2回とも当院入院だった患者11名(81±11歳). 【方法】嚥下カンファレンスシートおよびカルテからA1からA2までの期間, 入院期間, 退院先, 移動能力, 訓練期間, 内容, 摂食状態を情報収集し, A1とA2を比較検討した. 【結果】A1からA2までの期間は136(中央値33)日だった. A1の入院期間22±15(中央値20)日だが, A2は73±45(中央値56)日と増加, 自宅退院率はA1 55%からA2 27%に低下した. A1の移動能力は寝たきり2名, 車椅子2名, 歩行7名だが, A2は寝たきり3名, 車椅子6名, 歩行2名だった. また9名に認知症を認めた. A2の訓練期間は29±34(中央値18)日であり, 直接訓練導入例は5名で, 4名は経口摂取可能となった. 4名の退院先は自宅1名, 施設3名だった. 間接訓練のみ導入していた例は6名だったが, 3名は認知症で訓練遂行困難だった. A1の最終摂取状態は経口摂取11名(100%), A2は経口摂取4名(37%), そのうち3名はA1の食物形態まで至らなかった. A1の食事自立度は自立5名, 介助6名, A2は全員介助だった. 【考察】誤嚥性肺炎は難治性で再発しやすい(板橋ら, 2002)といわれており, 当院でも2年間で12.6%に2回以上発症例を認めた. 誤嚥性肺炎患者は高齢で認知症を合併している例が多く, 訓練遂行困難な場合もある. また誤嚥性肺炎を繰り返すことでADLの低下も認め, 嚥下機能も改善しにくい. 一方経口摂取可能例もあり, 入院中の適切な訓練や退院時の家族や施設への介助法指導を行う必要があると考えられた.
ISSN:1343-8441