II-P1-21 摂食・嚥下障害に適応した「安全でおいしい摂食・嚥下食」を目指して(その2)─調理マニュアルの作成から実践まで
【はじめに】摂食・嚥下障害患者の機能に合わせた食事は, 一定の物性を再現性よく調整したものを提供できることが望ましいとされている. 【目的】摂食・嚥下障害に適応した「安全でおいしい摂食・嚥下食」を構築し, 食事の物性を再現性よく調整できることを目的とした調理マニュアルの作成を行う. 【方法】6段階の摂食・嚥下食を構築し調理マニュアル(レシピ・作業指示書など)の作成と, スタッフ向け勉強会の実施を行う. 【結果】当院の現状の摂食・嚥下食は, 3段階設定(ペースト食, ムース食, キザミ食)であり, 1. 患者の摂食・嚥下機能に合っていない, 2. 食事の物性が調理者や食材, 増粘剤によって異なる...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.499-500 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】摂食・嚥下障害患者の機能に合わせた食事は, 一定の物性を再現性よく調整したものを提供できることが望ましいとされている. 【目的】摂食・嚥下障害に適応した「安全でおいしい摂食・嚥下食」を構築し, 食事の物性を再現性よく調整できることを目的とした調理マニュアルの作成を行う. 【方法】6段階の摂食・嚥下食を構築し調理マニュアル(レシピ・作業指示書など)の作成と, スタッフ向け勉強会の実施を行う. 【結果】当院の現状の摂食・嚥下食は, 3段階設定(ペースト食, ムース食, キザミ食)であり, 1. 患者の摂食・嚥下機能に合っていない, 2. 食事の物性が調理者や食材, 増粘剤によって異なる, 3. 適温提供を行う上で物性が安定していない, 4. ペースト食は, 見た目で料理のイメージができない, の4つの問題点があげられた. これらをふまえ6段階の摂食・嚥下段階食を構築した. また, 一定の物性で再現性よく調整するために調理マニュアルの作成を行った. 内容は, 料理ごとの使用量, 付加水分量, 増粘剤量, ミキサー攪拌時間, 提供温度目安を項目とし, 作業指示書を作成した. 6段階の摂食・嚥下食のうち嚥下食IIIにおいては, 見た目の欠点をカバーするためにペースト食と同じ物性で成形した料理を組み込み, おいしさに結びつけた. 勉強会として調理マニュアル(レシピや作業指示書などを含む)の配布及び説明を行い, 同時に試食会を実施した. 【まとめ】6段階の摂食・嚥下食を構築したことで, 食事選択の幅が広がった. 調理マニュアルを作成したことで食事の物性が調理者や食材, 増粘剤によって異なることが少なくなった. また作成した調理マニュアルのスタッフ向け勉強会を実施したことで共通認識(共有情報)が図られ, 安全でおいしい食事提供が可能となった. 今後, 患者の満足度調査を行い, 患者側からの評価や患者の摂食・嚥下機能にあった食事であるかの検討を行っていきたい. |
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ISSN: | 1343-8441 |