II-10-14 心疾患手術後の嚥下障害の経時的変化について
【目的】心疾患術後に嚥下障害をきたす症例は少なくないが, その経時的変化に関する報告は少ない. 今回, われわれは, 心疾患術後の摂食嚥下機能とそれに関連する項目の経時的変化について調査したので報告する. 【対象】2008年8月から2009年3月までに当院心臓血管外科において手術を施行し, 術後嚥下障害を呈した15例を対象とした. 手術時年齢は平均69.2歳, 男性9例・女性6例, 疾患は虚血性心疾患4例, 弁膜症2例, 大動脈疾患9例であり, それぞれの症例に間接的・直接的嚥下訓練を施行した. 挿管日数は平均10.7日, 術後から訓練開始までは平均13.9日, 術後から経口摂取開始までは平均...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.487-487 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】心疾患術後に嚥下障害をきたす症例は少なくないが, その経時的変化に関する報告は少ない. 今回, われわれは, 心疾患術後の摂食嚥下機能とそれに関連する項目の経時的変化について調査したので報告する. 【対象】2008年8月から2009年3月までに当院心臓血管外科において手術を施行し, 術後嚥下障害を呈した15例を対象とした. 手術時年齢は平均69.2歳, 男性9例・女性6例, 疾患は虚血性心疾患4例, 弁膜症2例, 大動脈疾患9例であり, それぞれの症例に間接的・直接的嚥下訓練を施行した. 挿管日数は平均10.7日, 術後から訓練開始までは平均13.9日, 術後から経口摂取開始までは平均19.3日であった. なお, 死亡例, 意識障害例(GCS:E3V4M4以下)は除外した. 【方法】同一検者が訓練初回時と終了時にHDS-R, 標準ディサースリア検査(以下AMSD), RSST, MWST, 嚥下重症度の評価(「摂食・嚥下障害患者における摂食嚥下状況のレベル」を使用)を施行した. 初回時と終了時の間で統計学的解析を行い, 有意水準5%未満を有意差ありとした. 【結果】HDS-Rの平均値は初回時13.1点, 終了時22.1点で有意な改善を認めた(p<0.01). AMSDは呼吸機能, 発声機能, 交互反復運動での速度および筋力において有意な改善を認めた(p<0.05). RSSTの平均値は初回時2.8回(初回1.9秒), 終了時5.0回(初回1秒)で, MWSTは初回時3が11例と5が4例, 終了時3が2例と5が13例であった. 嚥下重症度は初回時全例がレベル1であり, 終了時15例中14例がレベル7以上(経口摂取のみ)であった. 【考察】心疾患術後は経口摂取開始までに日数を要するものの, 全例が経口摂取に至った. 同時に, 認知機能の改善, 呼吸機能改善による喀出力の向上, 食塊形成・移送機能の向上および嚥下反射減弱の改善が認められた. |
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ISSN: | 1343-8441 |