II-8-4 320列面検出器CTを用いた口腔咽頭の形態学的検討

【目的】320列の面検出器を搭載したArea Detector CT(以後ADCT)を用いて, 従来の2次元画像では観察困難であった口腔咽頭の解剖やその形態変化をとらえることを目的として, 左右頸部回旋, メンデルソン手技の3次元的検討を行った. 【方法】インフォームドコンセントを得た健常者6名を対象とした. 被験者をCT撮影用のリクライニング椅子に座らせ, 安静時, 30°左右頸部回旋, メンデルソン手技をADCTにて撮影した. Ziosoft M900 QuadraおよびAquillion ONE付属のワークステーションを使用し3次元画像再構成を行った. 3次元画像より咽頭の体積及び, 距...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.469-470
Hauptverfasser: 金森大輔, 加賀谷斉, 稲本陽子, 横山通夫, 尾崎研一郎, 馬場尊, 才藤栄一, 片田和広, 藤井直子, 井田義宏, 中井敏昭, 藤井航
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】320列の面検出器を搭載したArea Detector CT(以後ADCT)を用いて, 従来の2次元画像では観察困難であった口腔咽頭の解剖やその形態変化をとらえることを目的として, 左右頸部回旋, メンデルソン手技の3次元的検討を行った. 【方法】インフォームドコンセントを得た健常者6名を対象とした. 被験者をCT撮影用のリクライニング椅子に座らせ, 安静時, 30°左右頸部回旋, メンデルソン手技をADCTにて撮影した. Ziosoft M900 QuadraおよびAquillion ONE付属のワークステーションを使用し3次元画像再構成を行った. 3次元画像より咽頭の体積及び, 距離計測, 嚥下関連諸器管の観察を行った. 本研究は藤田保健衛生大学医学部倫理委員会にて了承を得て行った. 【結果】頸部回旋では回旋側の梨状窩体積が減少し左右ともに安静時の56%となり, 非回旋側では左右ともに安静時の99%となった. 回旋側では梨状窩上方が咽頭側壁に圧迫され腔が狭くなっていたが非回旋側より下方まで腔を認めた. 非回旋側では上方の腔が開大し腔全体の位置も回旋側と比べると上方に位置していた. メンデルソン手技では全例において軟口蓋と声帯の閉鎖を認めた. 舌骨の平均挙上量は10.6±4.7mmであった. また甲状軟骨の平均挙上量は19.3±6.0mmであった(平均値±標準偏差). 【考察】ADCTにより従来の2次元画像では観察ができない形態変化や正確な距離, 体積情報を得ることができた. 頸部回旋では回旋側の腔が狭窄し非回旋側の腔が上方にあったことが食塊の流入経路に関係すると推測された. またメンデルソン手技では舌骨と甲状軟骨の挙上が保たれておりまた軟口蓋, 声帯が閉鎖されていたことから喉頭挙上, 舌根挙上, 軟口蓋, 声帯の閉鎖訓練にも有用であると考えられた.
ISSN:1343-8441