II-7-13 摂食・嚥下機能に大きな問題のない幼児の経管栄養の多施設調査
【目的】摂食・嚥下機能に大きな問題がないにもかかわらず, 経管栄養が長期にわたり, その抜去に苦労する小児の症例を経験する. その原因はさまざまであり, その対応も異なる. 今回は多施設の症例を集めることにより, 特徴を明らかにし, 対応・予防について検討することを目的とした. 【方法】一次調査として過去3年間の摂食・嚥下機能に大きな問題のない症例について, 本学会に参加している70施設にアンケートを送付した. 症例は1歳から10歳までの摂食・嚥下機能に大きな問題を認めないにもかかわらず, 6カ月以上経管栄養あるいは胃瘻による栄養が中心であるものとした. その結果, 25施設に85例の症例(抜...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.465-465 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】摂食・嚥下機能に大きな問題がないにもかかわらず, 経管栄養が長期にわたり, その抜去に苦労する小児の症例を経験する. その原因はさまざまであり, その対応も異なる. 今回は多施設の症例を集めることにより, 特徴を明らかにし, 対応・予防について検討することを目的とした. 【方法】一次調査として過去3年間の摂食・嚥下機能に大きな問題のない症例について, 本学会に参加している70施設にアンケートを送付した. 症例は1歳から10歳までの摂食・嚥下機能に大きな問題を認めないにもかかわらず, 6カ月以上経管栄養あるいは胃瘻による栄養が中心であるものとした. その結果, 25施設に85例の症例(抜去47例, 経管栄養32例継続中, 胃瘻9例継続中)の存在が明らかになった. さらに2次調査として11施設38症例を検討した. 【結果】本症は各年齢にみられ, 基礎疾患は多岐にわたる. 経管栄養は基礎疾患に関係して開始され, 経管栄養から離脱できない状況になる. 経管栄養から離脱できない理由として“こだわり”や“拒否”が最も多くの症例で考えられた. その対策としては, 早期の対応や予防が指摘されていた. 【考察】このような症例は各施設で抱えているが, 検討の難しい理由がいくつかある. それは, このような症例の検討にエビデンスを求めることが難しいことと, 医療機関から療育機関へ移行している症例が多く, その問題点や対策が検討されにくいことにある. さらの個人情報ということもあり, 今回も詳細を提示いただけなかった施設もある. このような症例の多くはこだわりや拒否を持つが, これは遺伝的要因と環境要因によると考えられる. 早期に対応すれば多くは予防できる場合が多いと思いわれ, 新生児・乳児の経管栄養について検討してみる必要があると考えられる. |
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ISSN: | 1343-8441 |