II-7-10 口腔癌術後早期の摂食嚥下機能と食事の摂取方法について
【目的】口腔癌術後において, 術後早期の摂食嚥下機能や食事の摂取方法に関する研究はほとんどない. 今回, 術後早期の摂食嚥下機能と食事の摂取方法について検討を行ったので報告する. 【対象】2008年2月から2009年4月までに, 当院特殊歯科・口腔外科で外科的治療後, 摂食・嚥下リハビリを施行した患者10例を対象とした. 性別は男性5例・女性5例, 年齢は平均55.2歳, 訓練開始日は術後平均13.9日, 訓練期間は平均51.6日であった. 原発部位は, 舌癌6例, 口底癌3例, 下顎歯肉癌1例であった. 頸部郭清は全例に, 術後放射線療法は8例に施行された. 訓練は全例に口腔器官の運動と食事...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.464-464 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】口腔癌術後において, 術後早期の摂食嚥下機能や食事の摂取方法に関する研究はほとんどない. 今回, 術後早期の摂食嚥下機能と食事の摂取方法について検討を行ったので報告する. 【対象】2008年2月から2009年4月までに, 当院特殊歯科・口腔外科で外科的治療後, 摂食・嚥下リハビリを施行した患者10例を対象とした. 性別は男性5例・女性5例, 年齢は平均55.2歳, 訓練開始日は術後平均13.9日, 訓練期間は平均51.6日であった. 原発部位は, 舌癌6例, 口底癌3例, 下顎歯肉癌1例であった. 頸部郭清は全例に, 術後放射線療法は8例に施行された. 訓練は全例に口腔器官の運動と食事時の代償方法の指導を行った. 【方法】訓練開始時と終了時に, 標準ディサースリア検査(以下AMSD), 反復唾液嚥下テスト(以下RSST), 改訂水のみテスト(以下MWST), 頸部聴診法を施行し, 藤島ら(2006)の「摂食嚥下状況のレベル評価」にて重症度判定を行った. また, 食事開始前に嚥下造影検査(以下VF)が施行された. 訓練開始時と終了時の間でAMSDとRSSTについて有意差検定を施行した. 【結果】AMSDは「運動範囲」の項目で有意な改善を認めた(p<.05). RSSTは開始時平均2.7回, 終了時3.6回と改善した. MWSTは開始時プロフィール3が5例, 5が5例で, 終了時は全例5となった. 頸部聴診法では, 開始時6例で咽頭残留を認めた. 重症度は, 開始時Lv.1は7例, Lv.4, 6, 7が各1例であったが, 全例Lv.7に改善した. VFでは全例誤嚥は無かったが, 口腔内貯留7例, 口唇からの漏れ3例, 咽頭残留5例を認めた. 食事時の代償は開始時6例で必要であったが, 終了時は2例であった. 【考察】口腔癌術後早期では, 口腔期と咽頭期に軽度から中等度の機能低下を認めた. 口腔癌術後早期において, 食事時の代償方法の指導と口腔器官の運動訓練は適応があると思われた. |
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ISSN: | 1343-8441 |