II-6-14 摂食開始時の食形態決定を目的としたスクリーニングの有用性について

【はじめに】嚥下スクリーニングとして汎用されている水飲みテストや唾液反復飲みテストは, 嚥下障害の有無の確認に有用である. しかし, それらのテストのみで食事開始時の食形態を決定することは困難である. そのため, 当院では食形態を決定するスクリーニングとしてSt. Marianna Seibu Dysphagia Screening(以下S.D.S.)を作成し使用している. 今回その有用性を検討したので報告する. 【対象】2008年5月~2009年3月にS.D.S.を行った149例のうち, 嚥下内視鏡検査(以下VE)を施行(55例)し, 入院前に嚥下機能に問題のなかった脳疾患患者28例(男性2...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.456-457
Hauptverfasser: 西山真依, 山徳雅人, 春日井滋, 青木まゆか, 湯浅朋, 高橋淑, 栃本しのぶ, 眞木二葉, 小野寺英孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】嚥下スクリーニングとして汎用されている水飲みテストや唾液反復飲みテストは, 嚥下障害の有無の確認に有用である. しかし, それらのテストのみで食事開始時の食形態を決定することは困難である. そのため, 当院では食形態を決定するスクリーニングとしてSt. Marianna Seibu Dysphagia Screening(以下S.D.S.)を作成し使用している. 今回その有用性を検討したので報告する. 【対象】2008年5月~2009年3月にS.D.S.を行った149例のうち, 嚥下内視鏡検査(以下VE)を施行(55例)し, 入院前に嚥下機能に問題のなかった脳疾患患者28例(男性23名女性5名平均年齢70.9歳). 【方法】S.D.S.は食事不可か4つの食形態(ゼリー, ミキサー, 刻みとろみ, 常食)のいずれかが選択されるようにフローチャート形式に作成したものである. 評価には水とゼリーを用いた. 意識レベルはE3~4を前提とし, 自己喀痰または咳嗽反射の可否を確認したうえで, 発話明瞭度に問題なければ水10ccを飲水. 明瞭度に低下があればゼリーを2.5cc→5ccの順に摂取. その時のむせ・湿性嗄声・分割嚥下の有無, 喉頭挙上の観察から食事の可否と食形態が決定される. S.D.S.施行後にVEで嚥下機能を確認し, S.D.S.とVEの結果が一致Good(以下G), S.D.S.よりVEの結果が良好Moderate(以下M), S.D.S.よりVEの結果が不良Poor(以下P)の3つに分類した. またChoen's Kappaを用いて一致率を算出した. 【結果】G群13例(46.4%), M群11例(39.3%), P群4例(14.3%)で, S.D.S.とVEの食形態一致率はk=0.335であった. 【考察】一致率は軽度(0.2<k≦0.4)だが, G群とM群の合計は24例(85.7%)であった. このことから, S.D.S.は安全な食形態を決定するスクリーニングとして有用であり, 安全が確保されていると考えられた. 今後スクリーニングの精度を高めていくうえで, 各項目の詳細について検討する.
ISSN:1343-8441