II-6-8 脳梗塞において嚥下障害が転帰に及ぼす影響
【背景】脳梗塞急性期には30~40%で嚥下障害をきたすと言われ, 肺炎発症に密接に関係している. 嚥下障害の独立した危険因子として年齢, 男性, 意識障害, 構音障害, 多発性梗塞巣の存在があげられる. 【目的】脳梗塞急性期において, 嚥下障害に関わる原因で急性期病院の在院日数が延長した例の実態を把握し, 問題点を検討する. 【対象】2008年4月1日から2008年9月30日までに当科に入院した脳梗塞患者157人を対象とした. 男性99人, 平均年齢71.6歳, 平均NIHSSは5.1±6.3点, 平均在院日数24.7日であった. 【方法】以下の項目をカルテを後方視的に調査した. 入院時NIH...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.453-454 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景】脳梗塞急性期には30~40%で嚥下障害をきたすと言われ, 肺炎発症に密接に関係している. 嚥下障害の独立した危険因子として年齢, 男性, 意識障害, 構音障害, 多発性梗塞巣の存在があげられる. 【目的】脳梗塞急性期において, 嚥下障害に関わる原因で急性期病院の在院日数が延長した例の実態を把握し, 問題点を検討する. 【対象】2008年4月1日から2008年9月30日までに当科に入院した脳梗塞患者157人を対象とした. 男性99人, 平均年齢71.6歳, 平均NIHSSは5.1±6.3点, 平均在院日数24.7日であった. 【方法】以下の項目をカルテを後方視的に調査した. 入院時NIHSS, 嚥下スクリーニングテスト施行時期, 退院後転帰, 誤嚥性肺炎発症の有無, 在院日数, 急性期診断・治療以外での在院日数の延長理由を調査した. 【結果】嚥下障害に関わる問題で在院日数が延長した例は, 157例中25例, 15.7%であった. その理由は, (1)誤嚥性肺炎に罹患, (2)家族がPEGに拒否, (3)当院で嚥下リハビリ継続を希望, (4)嚥下食習得まで時間を要した, (5)意欲低下で経口摂取が進まなかった, などであった. 誤嚥性肺炎の発症率は18例, 11.4%で, 発症時期は入院後平均6.3日, 発症時食形態は非経口摂取が88%を占めた. 入院時NIHSSは非肺炎群に比べ有意に高値であった. 【結語】在院日数の延長に嚥下障害が関係していたのは15.7%であった. 脳梗塞急性期では嚥下障害に関わる問題点の70%が誤嚥性肺炎であった. 入院時NIHSS高得点症例では, 入院早期に, 非経口でも, 誤嚥性肺炎を発症する可能性があることを念頭におく必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |