II-2-2 簡易嚥下誘発試験の最適な検査手技と嚥下造影・内視鏡所見との関連
【はじめに】簡易嚥下誘発試験(以下SSPT)は, 不顕性誤嚥を直接検出し, 誤嚥性肺炎の危険性の評価に有用とされるが, 嚥下造影(以下VF)や嚥下内視鏡(以下VE)との関係は, 過去の報告では一定の傾向はない. SSPTをVE下に行い, 注入部位・注入量・温度を適宜変更して施行, 誤嚥性肺炎の有無やVF・VE所見との関係を検討し, より適切な検査方法と臨床的意義を検証した. 【対象】2008年11月~2009年7月にVF・VEを行ったのべ69症例. 同意困難, 検査手技困難, 咽喉頭術後の症例を除いた. 【方法】仰臥位でVE下に経鼻で5Frのチューブを咽頭に挿入, 40%バリウム水を注入した....
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.422-422 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】簡易嚥下誘発試験(以下SSPT)は, 不顕性誤嚥を直接検出し, 誤嚥性肺炎の危険性の評価に有用とされるが, 嚥下造影(以下VF)や嚥下内視鏡(以下VE)との関係は, 過去の報告では一定の傾向はない. SSPTをVE下に行い, 注入部位・注入量・温度を適宜変更して施行, 誤嚥性肺炎の有無やVF・VE所見との関係を検討し, より適切な検査方法と臨床的意義を検証した. 【対象】2008年11月~2009年7月にVF・VEを行ったのべ69症例. 同意困難, 検査手技困難, 咽喉頭術後の症例を除いた. 【方法】仰臥位でVE下に経鼻で5Frのチューブを咽頭に挿入, 40%バリウム水を注入した. 注入部位は喉頭蓋頂または披裂部, 注入量は0.4mlまたは1.0mlまたは2ml, 温度は常温水または氷水とし, 全12通りの内一つの方法を施行した. 嚥下または咳嗽反射の有無, 反射が惹起されるまでの時間, バリウム水の侵入誤嚥の有無を記録した. 反射が3秒以内に起こるか否かで判別した. VFVE所見は, 検査時の食事条件での所見を全てあり・なしで評価した. 統計はカイ二乗検定で行った. 【結果】肺炎群の方が有意に反射が惹起されにくかった. SSPTの実施条件と嚥下反射の関係では, 注入量増量で有意に反射が促進された. 実施条件で感度・特異度が高かったのは, (1)喉頭蓋頂で0.4mlを注入し反射の有無(2)披裂部で2mlを注入し3秒以下での反射の有無を判定した場合であった. 注入した水の侵入と嚥下反射の関連は乏しかった. VEでの唾液貯留・喉頭感覚低下・嚥下反射遅延とは有意に関連を認めた. VF所見との関連は乏しかった. 【考察】注入部位を一定にすることで, 従来の方法と遜色ない感度・特異度を得た. SSPTの臨床的意義は, 咽喉頭の水に対する被刺激性を判定し, 食物以外の誤嚥, 誤嚥性肺炎の危険性を評価するものと考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |