I-P6-2 摂食機能獲得期に拒食傾向を示す症例への多角的アプローチ 第2報 集団生活場面からのアプローチ

【はじめに】当院では昭和62年より摂食外来を開設し, チームアプローチによる指導・訓練を行っている. 摂食外来を受診する小児の中には哺乳ビンでのミルクや経管からの栄養に依存し他の食物を拒否する, いわゆる依存・拒食症状ケースが認められる. そこで我々は, 2006年の摂食・嚥下リハビリテーション学会において, 多職種による多角的視野からアプローチを行い, 家庭での依存・拒食症状の改善が認められた症例を報告した. 一方, 家庭ではなく集団生活場面から経口摂取を開始し始めるケースが認められる. そこで今回, 集団生活場面から経口摂取可能となった2例について報告する. 【対象】症例1:初診時年齢2歳...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.410-410
Hauptverfasser: 仁平暢子, 加藤光剛, 松浦芳子, 竹下育夫, 蟹江早苗, 佐藤倫子, 妻鹿純一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】当院では昭和62年より摂食外来を開設し, チームアプローチによる指導・訓練を行っている. 摂食外来を受診する小児の中には哺乳ビンでのミルクや経管からの栄養に依存し他の食物を拒否する, いわゆる依存・拒食症状ケースが認められる. そこで我々は, 2006年の摂食・嚥下リハビリテーション学会において, 多職種による多角的視野からアプローチを行い, 家庭での依存・拒食症状の改善が認められた症例を報告した. 一方, 家庭ではなく集団生活場面から経口摂取を開始し始めるケースが認められる. そこで今回, 集団生活場面から経口摂取可能となった2例について報告する. 【対象】症例1:初診時年齢2歳5カ月女児. ダウン症候群, 先天性十二指腸狭窄. 経過:生後6カ月時から離乳食を開始したが, 1歳時の歯肉口内炎をきっかけに哺乳ビン依存の拒食となる. 拒食行動の習慣化により家庭での経口摂取開始困難と考え就園を機に集団生活場面で経口摂取を指導を行い, 依存・拒食症状が改善した. 症例2:初診時年齢1歳3カ月男児. 6q部分モノソミー/10q部分トリソミー. 経過:生後6カ月時から離乳食を開始したが, ヨーグルトと哺乳ビン依存の拒食となる. ヨーグルト摂取を禁止し療育施設通園を機に集団生活場面で経口摂取指導を行い, 依存・拒食症状が改善した. 【結果および考察】以上2症例に対して, 集団生活の開始を契機に集団生活場面で依存・拒食症状の改善を試み, 改善を得た. しかし, 家庭での依存・拒食症状は継続し改善には時間を要した. このようなケースでは, 摂食の強要を継続することが逆に拒食行動を習慣化し, 日常生活の一部となり改善を困難にしていると考えられた. このため, 家庭での経口摂取を中止し, 今までとは異なる集団生活場面からアプローチを行うことの重要性が示唆された.
ISSN:1343-8441