I-P3-16 食べよう会(食介護を考える会)活動報告

【はじめに】平成16年に尾道市因島(人口2万6千人)において食べよう会を立ち上げ, 介護職を中心に多職種が集まり年に2~4回の地域における食支援勉強会を開催している. 参加者は毎回20~30人であるが, 5年間の活動で介護職は口腔ケア, 摂食・嚥下についての医学的な理解が深まり, 医療職は嚥下障害を介護と生活全体の中に位置づける視点を持つようになった. また参加者同士のつながりもすこしずつ芽生えている. 【研修内容】テーマ:キザミ食とソフト食, 安全な食事介助, 口腔ケア・口腔リハビリで介護予防, 自助具・食器・福祉用具, 口腔機能の向上, 音楽療法と介護, 地域リハビリテーションと食介護,...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.380-381
Hauptverfasser: 岡田公生, 河田健一, 村井正史, 中矢聡子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】平成16年に尾道市因島(人口2万6千人)において食べよう会を立ち上げ, 介護職を中心に多職種が集まり年に2~4回の地域における食支援勉強会を開催している. 参加者は毎回20~30人であるが, 5年間の活動で介護職は口腔ケア, 摂食・嚥下についての医学的な理解が深まり, 医療職は嚥下障害を介護と生活全体の中に位置づける視点を持つようになった. また参加者同士のつながりもすこしずつ芽生えている. 【研修内容】テーマ:キザミ食とソフト食, 安全な食事介助, 口腔ケア・口腔リハビリで介護予防, 自助具・食器・福祉用具, 口腔機能の向上, 音楽療法と介護, 地域リハビリテーションと食介護, 認知症と食べる障害, 食事観察のポイント【事例紹介】グループホーム入居中の男性. 最近急速な認知症の進行を認め, 食事中に義歯が外れて混乱を来すことがあったため3カ月間義歯を外していた. 長期間義歯を外した認知症の人が再装着するのは困難な場合が多いが, 再装着を試みた. 義歯治療と併行して食べよう会で作成した摂食・嚥下チェックシートを活用することで, 歯科医と介護スタッフは食事場面での正確な情報を共有し, 役割を分担し協働することができた. 【考察】5年間の活動を通しての問題点として, 1. 参加者内で講師を依頼するため勉強会の講師不足, 2. 他の職種から学びあうことを呼びかけて発足したのであるが, カンファレンスに発展せず講師からの一方通行になっている, などが挙げられる. 食べる行為は生活行為である. 生活の場での摂食・嚥下障害者は家族を含めた多くの介護の力に支えられて生活を送っている. それゆえ在宅, 施設での食支援を考えるには摂食・嚥下障害のみならず, 介護全般についての幅広い知識や理解が欠かせない. それに対応すべく食べよう会の学習活動も幅広いジャンルを取り上げたい. また参加者同士の交流親睦を大切にし, 今後は摂食・嚥下障害者の家族を含めた支援にも取り組みたい.
ISSN:1343-8441