I-9-9 鼻咽腔ファイバースコープによる視覚的フィードバックを用いた嚥下手技獲得訓練の有効性

【目的】supraglottic swallow(SGS)獲得訓練における, 内視鏡による視覚的フィードバック効果を確認する. 【方法】SGSを正確に遂行できなかった健常成人10名(男5名, 25歳)を対象とし, 内視鏡画像提示群と非提示群の2群(各5名)に無作為に分けた. 獲得訓練は座位にて, 常温の着色水4mlを用い, 1日30回実施. 画像提示群にはSGS訓練中声門閉鎖の様子をSTが画像を指さして示した. 非提示群では/a:/短時間の発声後に息こらえを行う指示を与えた. 各訓練後に確認試験として非提示条件にて5試行のSGSを行った. これをSGS遂行可能となるまで, 最大5日間継続した....

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.337-337
Hauptverfasser: 橋本美穂, 岡田澄子, 成田厚乃, 石黒百合子, 加賀谷斉, 尾関保則, 尾崎健一, 才藤栄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】supraglottic swallow(SGS)獲得訓練における, 内視鏡による視覚的フィードバック効果を確認する. 【方法】SGSを正確に遂行できなかった健常成人10名(男5名, 25歳)を対象とし, 内視鏡画像提示群と非提示群の2群(各5名)に無作為に分けた. 獲得訓練は座位にて, 常温の着色水4mlを用い, 1日30回実施. 画像提示群にはSGS訓練中声門閉鎖の様子をSTが画像を指さして示した. 非提示群では/a:/短時間の発声後に息こらえを行う指示を与えた. 各訓練後に確認試験として非提示条件にて5試行のSGSを行った. これをSGS遂行可能となるまで, 最大5日間継続した. 成功時は翌日確認試験を実施し, 達成の場合を獲得とした. 獲得後は自主訓練にて10日間, 1日30回のSGSを行い, 10日後に保持確認試験を行った. SGS遂行可能の基準は, 1)White outに先だって声門閉鎖が生じ, 2)White outの直前まで声門閉鎖が持続, 3)嚥下後に軽い咳払いが可能, これを5試行連続で遂行可能な場合とした. 訓練, 確認試験ともにデジタルビデオに録画, PCに取り込み評価し, 獲得までの日数, 保持成績を比較した. 結果の判定は医師1名, 言語聴覚士2名にて行った. 【結果】画像提示群では4名が1日で獲得可能, 全例10日後の保持可能. 非提示群では4名が2日以上を要し, 1名は獲得不可, 2名は10日後の保持可能. 獲得までの日数, 10日後保持成績に群間に差はなかった. 失敗のタイプには1)White outまで声門閉鎖が得られないタイプ, 2)いったん得られた声門閉鎖がWhite out直前に開放されるタイプがあった. 画像提示条件で獲得に日数を要した1名では1)が観察され, 2)を経て達成に至った. 非提示条件ではすべて2)であった. 【考察】今回の調査では, SGS獲得までの日数, 保持成績とも有意な差はなかったが, 画像提示群では1日でSGS獲得する例が多かった. 獲得訓練における視覚的フィードバックの有効性が示唆された.
ISSN:1343-8441