I-9-8 K-methodを嚥下訓練に用いる有効性についての検討―健常成人における舌圧測定を用いた分析
【目的】K-methodは/ki/の構えをとって飲み込む訓練手技であり, この手技により誤嚥しない嚥下の即時効果が得られ, これを続けることで結果的に咽頭収縮および喉頭挙上の機能強化を図ることができた症例が報告されている. 今回, K-methodの有効性を調べるために舌圧測定を行い, 普通嚥下およびこの方法に最も近いEffortful Swallowと比較した. さらに, これらの方法による自覚的な違いについてVisual analog Scale(以下VAS)を用いて聴取した. 【対象と方法】対象は高口蓋, 舌小帯短縮症が無く, 舌圧センサシートを口蓋に貼付した際にCh1~Ch5のすべてが...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.336-336 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】K-methodは/ki/の構えをとって飲み込む訓練手技であり, この手技により誤嚥しない嚥下の即時効果が得られ, これを続けることで結果的に咽頭収縮および喉頭挙上の機能強化を図ることができた症例が報告されている. 今回, K-methodの有効性を調べるために舌圧測定を行い, 普通嚥下およびこの方法に最も近いEffortful Swallowと比較した. さらに, これらの方法による自覚的な違いについてVisual analog Scale(以下VAS)を用いて聴取した. 【対象と方法】対象は高口蓋, 舌小帯短縮症が無く, 舌圧センサシートを口蓋に貼付した際にCh1~Ch5のすべてが反応を示す健常成人15名(男性4名, 女性11名, 平均年齢20.01歳)とした. 舌圧測定はSwallow Scan(ニッタ社製)を使用した. プリン3ccを普通嚥下, Effortful swallow, K-methodで嚥下した時の舌圧を各5回ずつランダムに測定し, 最大舌圧値, 舌の口蓋への接触持続時間を比較した. さらに2つの嚥下方法の「指示内容のわかりやすさ」と「飲みやすさ」についてVASを行った. 【結果】最大舌圧値は, Effortful SwallowとK-method間では有意差はなく, 普通嚥下との比較ではEffortful Swallow, K-methodともCh1~Ch5のすべてで有意に値が高かった(p<0.05). 舌の接触持続時間は, K-methodは普通嚥下, Effortful Swallowより有意に長かった(p<0.05). VASは, 普通嚥下に比べ「指示内容のわかりやすさ」, 「飲みやすさ」ともに低スコアであった. 【考察】舌圧は, 咽頭への送り込み, 咽頭内圧など摂食・嚥下に深く関与していると報告されている. 本研究でK-methodはエビデンスが実証されているEffortful Swallowに匹敵する最大舌圧値と舌の接触持続時間を得られる訓練法であることが明らかとなり, K-methodを嚥下訓練に用いることの有効性が示唆された. 嚥下障害患者に用いることの有効性については今後の課題である. またVASの結果より, Effortful Swallow, K-methodとも確実に行うためには, 練習と理解が必要と思われた. |
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ISSN: | 1343-8441 |