I-6-6 当院嚥下食の物性評価検討─第2報

【目的】昨年本学会において, 当院嚥下訓練食(B・C食)の献立ごとの物性値(硬さ, 凝集性, 付着性)測定を行った結果, ばらつきが大きく幅があったことを報告した. 今回は, その結果を踏まえ, 改善を行い, 再度物性値を測定し, 昨年度との比較, および特別用途食品「えん下困難者用食品許可基準」との比較検討を行ったので報告する. 【方法】測定にはクリープメータ(山電RE2-3305)を用い, 厚生労働省が示した「高齢者用食品の試験方法」に従った. 測定温度は温かい献立は45±2℃, 冷たい献立は20±2℃とし, B食63品目, C食42品目について各10回行い, 平均値を求めた. 主食も嚥下...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.316-316
Hauptverfasser: 太田弘子, 河原和枝, 酒井麻紀子, 志田明佳利
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】昨年本学会において, 当院嚥下訓練食(B・C食)の献立ごとの物性値(硬さ, 凝集性, 付着性)測定を行った結果, ばらつきが大きく幅があったことを報告した. 今回は, その結果を踏まえ, 改善を行い, 再度物性値を測定し, 昨年度との比較, および特別用途食品「えん下困難者用食品許可基準」との比較検討を行ったので報告する. 【方法】測定にはクリープメータ(山電RE2-3305)を用い, 厚生労働省が示した「高齢者用食品の試験方法」に従った. 測定温度は温かい献立は45±2℃, 冷たい献立は20±2℃とし, B食63品目, C食42品目について各10回行い, 平均値を求めた. 主食も嚥下粥, 全粥について連日測定した. 【結果】嚥下食Bは硬さ3×102~1.3×104N/m2, 凝集性0.1~0.8, 付着性1×102~1.6×103J/m3の範囲, 嚥下食Cでは硬さ3×102~5×104N/m2, 凝集性0.03~0.7, 付着性1×102~2×103J/m3の範囲に分布していた. 嚥下粥は硬さ1×103~3.5×103N/m2, 凝集性0.4~0.9, 付着性2×102~9.2×102J/m3の範囲, 全粥は硬さ8×102~2.5×103N/m2, 凝集性0.4~0.9, 付着性1.5×102~7.5×102J/m3の範囲に分布していた. 【考察】医師, 言語聴覚士らの意見も参考にし, 献立を見直した. 食材の選択, 調理作業工程の改善をした結果, 昨年度と比較し, 硬さは軟らかく, 付着性は低下していた. 「えん下困難者用食品許可基準」との比較では, 嚥下食Bでは52%が許可基準IIまでに入っていた. 嚥下食Cでは約50%が許可基準IIIまでに入っていた. 主食は, 嚥下粥, 全粥ともに基準IIに該当し, 副食に比較し, 一極に集中しており, 再現性を認めた. 今後の嚥下障害者に適した食事形態の基準統一化を目指して多職種協働で検討を続けていきたい.
ISSN:1343-8441