I-5-2 緑茶入り口腔スプレーの紹介と重症心身障害児に対する継続使用の効果―アンケート調査の結果から
【はじめに】横浜市西部地域療育センターでは, 2005年度から口腔ケアプログラムの一環として緑茶入り口腔スプレーを導入している. 本法は, 携帯用スプレーボトルに緑茶を入れ口腔内に噴霧するもので, 療育場面や家庭で手軽に使える. 継続使用している症例も経験した. 今回, 本法を紹介するとともに, 使用状況や継続使用による変化について保護者にアンケート調査を行ったので報告する. 【対象と方法】対象は口腔スプレーを1年以上継続している重症心身障害児(3~10歳)12名で, 栄養摂取方法は, 経管11名, 経口1名である(うち3名は摂食拒否有り). アンケートは記述形式とし, 調査項目は, 使用目的...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.304-304 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】横浜市西部地域療育センターでは, 2005年度から口腔ケアプログラムの一環として緑茶入り口腔スプレーを導入している. 本法は, 携帯用スプレーボトルに緑茶を入れ口腔内に噴霧するもので, 療育場面や家庭で手軽に使える. 継続使用している症例も経験した. 今回, 本法を紹介するとともに, 使用状況や継続使用による変化について保護者にアンケート調査を行ったので報告する. 【対象と方法】対象は口腔スプレーを1年以上継続している重症心身障害児(3~10歳)12名で, 栄養摂取方法は, 経管11名, 経口1名である(うち3名は摂食拒否有り). アンケートは記述形式とし, 調査項目は, 使用目的, 実施頻度, 使い勝手, 変化(全身状態, 呼吸状態, 嚥下・口腔機能)である. 【結果】目的は保湿10名, 口腔内環境の改善9名, 口腔周囲の動きを促す6名, 唾液嚥下練習6名, 交互嚥下4名であった(複数回答). 頻度は1時間に2~3回と食事時間, 使い勝手はほぼ良好との回答が多かった. 変化については, 発熱回数減少6名, 入院回数減少5名, 気管分泌物の状態改善3名, 吸引回数減少3名, 増加1名, 喘鳴減少2名, 口腔周囲の動き増加6名, 嚥下改善4名, むせ減少2名, 発声増加2名, 口腔内刺激の受け入れ改善2名等であった. 摂食拒否のある3名も味覚刺激の受け入れ等が改善していた. 【考察】保湿や口腔内環境改善を目的に口腔スプレーを使用した結果, 全例に分泌物や口腔周囲の動きの変化等, 目的に応じた改善が認められた. また全身状態の安定した半数の症例も, 呼吸状態や嚥下・口腔機能の変化が関与していると思われる. 保護者が口腔スプレーの目的を理解し, 効果を実感し得たことと, 簡便で生活に取り入れやすいことが継続的な使用を促し, 今回の結果につながったと考えている. 今後は, 症例数を増やし, 他の要因との関連も含めた効果判定や有効な実施方法を検討していきたい. |
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ISSN: | 1343-8441 |