I-4-6 脳卒中急性期における摂食・嚥下障害の評価─S.D.S.(St. Marianna Seibu Dysphasia Screening)を用いた検討
【目的】脳卒中急性期において, 経口摂取開始時には一般的に水のみテストやフードテストを用いて評価するが, 実際の食事と結びつかなく, 経口摂取を開始するタイミングが遅れ, 在院日数の延長につながることが多い. 今回, 我々は新たにベッドサイド嚥下スクリーニング(St. Marianna Seibu Dysphagia Screening)を考案し, 運用した. その結果, 経口摂取開始までの期間および在院日数の短縮化をはかることができたため報告する. 【対象】2007年4月1日~2009年3月1日までに聖マリアンナ医科大学西部病院に入院した脳卒中患者178例(男性:111例, 女性:67例)を...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2009, Vol.13 (3), p.301-302 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】脳卒中急性期において, 経口摂取開始時には一般的に水のみテストやフードテストを用いて評価するが, 実際の食事と結びつかなく, 経口摂取を開始するタイミングが遅れ, 在院日数の延長につながることが多い. 今回, 我々は新たにベッドサイド嚥下スクリーニング(St. Marianna Seibu Dysphagia Screening)を考案し, 運用した. その結果, 経口摂取開始までの期間および在院日数の短縮化をはかることができたため報告する. 【対象】2007年4月1日~2009年3月1日までに聖マリアンナ医科大学西部病院に入院した脳卒中患者178例(男性:111例, 女性:67例)を対象とした. 平均年齢は68.8歳, 基礎疾患の内訳は脳梗塞108例, 脳出血38例, くも膜下出血32例であった. 【方法】意識レベルがGCS4以上で自己喀痰可能になった時点で, 発話明瞭度により分類し, 水10ml, ゼリー2.5ml, ゼリー5mlを用いて, フローチャート方式で食事形態を決定した. 食事形態は常食, きざみとろみ食, ミキサー食, 経口摂取不可に分類した. 【結果】入院期間中に経口摂取が可能になった症例は, S.D.S.開始前は62例(84.9%), S.D.S.開始後は92例(90.1%)であった. 入院から経口摂取開始までの期間は平均10日で開始前(平均19日)と比較し, 9日短縮した. 平均在院日数は40.2日と開始前(平均79.7日)より約39日間短縮した. 【考案】S.D.S.の特徴としては水とゼリーの複数の形態を用い, 発話の明瞭度を組み合わせたことにある. 現在, 様々なスクリーニング方法は提案されているが, 各病院の環境により必ずしも共通な方法で実施できるとは限らず, 各病院の方法を作成していく必要があると考えられた. 医師やSTの人数, 提供食事形態など特徴を踏まえた上で, 独自のフローシートを用いる事で早期の経口摂取, 在院日数の短縮化が可能になると考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |