II-6-35 軽度認知症を呈する球麻痺患者の自立支援~認知-身体機能評価からみたOE手法の一検討
【はじめに】高齢嚥下障害患者による間歇的口腔食道経管栄養法(OE法)の自己管理は困難なことが多い. 嚥下障害を伴う球麻痺, 軽度認知症, 四肢運動失調を認める患者に対し, 認知・身体機能評価をして, その結果をもとに自立支援を行い, 在宅にてOE法管理が可能となった症例について報告する. 【症例】84歳女性, 小脳-橋梗塞により球麻痺, 四肢運動失調障害を認めた. 運動療法, 摂食機能療法を施行し, OE法を導入した. 四肢運動障害はつたい歩き自立レベルまで改善した. しかし嚥下障害は改善せず, OE法を継続しての在宅生活となった. OE法の手技について説明書を作成したが, 順序間違え-省略な...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.430-430 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】高齢嚥下障害患者による間歇的口腔食道経管栄養法(OE法)の自己管理は困難なことが多い. 嚥下障害を伴う球麻痺, 軽度認知症, 四肢運動失調を認める患者に対し, 認知・身体機能評価をして, その結果をもとに自立支援を行い, 在宅にてOE法管理が可能となった症例について報告する. 【症例】84歳女性, 小脳-橋梗塞により球麻痺, 四肢運動失調障害を認めた. 運動療法, 摂食機能療法を施行し, OE法を導入した. 四肢運動障害はつたい歩き自立レベルまで改善した. しかし嚥下障害は改善せず, OE法を継続しての在宅生活となった. OE法の手技について説明書を作成したが, 順序間違え-省略など順序性の問題点, 立位作業の際のふらつきなどの操作性の問題点を認めた. 【認知・高次脳機能検査】長谷川式簡易知能スケール(HDS-R), Allen Cognitive Level Screen2000(ACLS2000), Trail Making Test(TMT), Benton視知覚記銘力検査(Benton), 文章-動作遂行検査をおこなった. 【結果】HDS-R:19点, ACLS2000:5.0レベル, TMT:TMT-PartA3分57秒, TMT-PartB13分7秒, Benton:境界以下, 文章-動作遂行検査:3文の動作処理困難. 身体機能面では立位姿勢で上肢支持が必要でありわずかに上肢運動失調が出現したが, 座位では巧緻動作も良好で上肢運動失調は出現しなかった. 【考察】ACLS2000とHDS-Rの比較では認知機能低下があり, 介助が必要な状態であった. Bentonからは視知覚情報の記憶を用いた方法も困難と考えられた. TMTと文章-動作遂行検査から説明書はより簡略することと, 2文以下の文章にする必要性がわかった. 【自立支援】以上より説明書の再作成とOE法の使用用具を座位で作業できるように改良を行い, 在宅復帰が可能となった. |
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ISSN: | 1343-8441 |