II-3-33 急性期脳卒中患者における摂食・嚥下障害~初回評価からみた退院時の食形態
【目的】嚥下障害を有する患者にとって, 退院時の食形態は在宅復帰の可否を決める重要なポイントとなる. 今回我々は, 発症早期に行った嚥下障害の評価と退院時に摂取可能となった食形態の関係について検討した. 【対象と方法】当科に依頼のあった急性期脳卒中515名を対象とした. 男性300名, 女性215名で, 平均年齢は67.2±13.0歳. 原因疾患は脳梗塞272名, 脳出血167名, くも膜下出血76名, 発症からの期間は平均5.1±6.3日であった. 言語療法の初回時に反復唾液嚥下テスト(RSST), 改訂水飲みテスト(MWST), 身体機能, 認知機能などを評価し, 退院時の食形態(常食,...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.380-381 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】嚥下障害を有する患者にとって, 退院時の食形態は在宅復帰の可否を決める重要なポイントとなる. 今回我々は, 発症早期に行った嚥下障害の評価と退院時に摂取可能となった食形態の関係について検討した. 【対象と方法】当科に依頼のあった急性期脳卒中515名を対象とした. 男性300名, 女性215名で, 平均年齢は67.2±13.0歳. 原因疾患は脳梗塞272名, 脳出血167名, くも膜下出血76名, 発症からの期間は平均5.1±6.3日であった. 言語療法の初回時に反復唾液嚥下テスト(RSST), 改訂水飲みテスト(MWST), 身体機能, 認知機能などを評価し, 退院時の食形態(常食, 嚥下食, 非経口)との関連について検討した. 【結果】初回評価時, RSSTは502名(97%)に実施可能であったが, MWSTは評価自体が困難な場合が多く, 施行できたのは394名(77%)であった. 退院時に常食を摂取したものは271名, 嚥下食は130名, 非経口が114名であった. RSSTが3回以上可能であった213名中182名(85.4%)は退院時に常食であった. RSSTが3回未満の302名中84名(27.8%)が常食であったが, 113名(53.1%)では経口摂取が困難であった. MWSTで段階4以上の266名中209名(78.6%)が退院時常食となったが, 段階3以下の130名中46名(35.4%)が経口摂取困難であった. 退院時の食形態は, 初回評価時の咽頭反射, 流涎, 舌苔の有無, 頚部安定性, 失語・失行の有無などと関係を認めた. 【まとめ】脳卒中患者が急性期病院を退院する際の食形態は, 初回評価時の評価から大まかには推測できる. しかし, 脳卒中再発例や誤嚥性肺炎発症例, 全身状態不良例などでは, 初回評価時と退院時で状態が異なることが多く, 初回の評価のみで退院時の食形態を予測することは困難と思われた. |
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ISSN: | 1343-8441 |