II-3-13 誤嚥性肺炎患者の嚥下機能に関する検討
【目的】誤嚥性肺炎の病態に関する報告は多いが, 誤嚥性肺炎の患者の嚥下機能に関する詳細な報告は少ない. 今回, われわれは誤嚥性肺炎を発症した患者の口腔機能に焦点を絞って検討したので報告する. 【対象】当院で2007年12月から2008年4月までに誤嚥性肺炎の診断後に摂食・嚥下リハビリテーションを施行し評価が可能であった5例を対象とした. 平均年齢は82.6歳, 男性3例・女性2例, 基礎疾患は食道癌術後, 糖尿病, 末梢神経障害, 腹部大動脈瘤破裂術後および統合失調症であった. 診断からリハビリ開始までの日数は平均6.2日で, 全例初回時は絶飲食の状態であった. また4例に酸素吸入が行われて...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.371-372 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】誤嚥性肺炎の病態に関する報告は多いが, 誤嚥性肺炎の患者の嚥下機能に関する詳細な報告は少ない. 今回, われわれは誤嚥性肺炎を発症した患者の口腔機能に焦点を絞って検討したので報告する. 【対象】当院で2007年12月から2008年4月までに誤嚥性肺炎の診断後に摂食・嚥下リハビリテーションを施行し評価が可能であった5例を対象とした. 平均年齢は82.6歳, 男性3例・女性2例, 基礎疾患は食道癌術後, 糖尿病, 末梢神経障害, 腹部大動脈瘤破裂術後および統合失調症であった. 診断からリハビリ開始までの日数は平均6.2日で, 全例初回時は絶飲食の状態であった. また4例に酸素吸入が行われていた. 【方法】口腔機能については標準ディサースリア検査(以下AMSD)の「発声発語器官検査」を, 嚥下機能については反復唾液嚥下テスト(以下RSST)と改訂水飲みテスト(以下MWST)を使用し同一検者が評価を行った. 評価時期は訓練初回時とした. 【結果】AMSDの各検査項目はすべて3点満点で, それぞれ『呼吸機能』が0.9±0.7点, 『発声機能』が1.2±0.9点, 『鼻咽腔閉鎖機能』が1.7±0.8点, 口腔構音機能の『運動範囲』が2.6±0.2点, 『交互反復運動での速度』が1.9±0.7点, 『筋力』が2.0±0.4点であった. RSSTの回数は2.8±1.1回/30秒で, 初回嚥下までの時間は7.4±12.6秒であった, MWSTはプロフィール5が3例, プロフィール3と1が各1例であった. 【考察】誤嚥性肺炎の患者では, AMSDにおける『呼吸機能』と『発声機能』の低下が顕著であり, 程度の差はあるがその他の検査項目でも低下を認めたことから, 誤嚥性肺炎の患者は口腔機能が全般的に低下していることが分かった. さらに, RSSTの結果から嚥下反射の遅延も存在することが分かった. |
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ISSN: | 1343-8441 |