I-P5-19 知的障害者支援施設への摂食機能健診・指導の実施

【はじめに】従来からの18歳以上を対象とした知的障害者施設では, 運営年数を追うにつれて, 施設利用者の高齢化や障害の重度化が進む傾向にある. 最近, 江戸川区内の関連施設にて, 窒息になり意識が回復せず植物状態になったり, 死亡した例が報告された. そこで, それら施設では, 摂食機能障害の対策が, 利用者と職員の間で急務となり, 摂食機能健診の要望がだされることとなった. 今回, 初の試みとなった当センターでの摂食機能健診診断の実際を報告する. 【方法】4福祉施設利用者279名中, 各施設より, 当センターの口腔機能スクリーニングを参考に, 摂食状態に不安を掲げた20名に摂食機能健診を実施...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.364-364
Hauptverfasser: 清水畑倫子, 楢橋永全, 清水治彦, 須賀俊二, 落合俊輔, 古川隆彦, 田村朗, 矢作眞大, 外園智唯, 植田耕一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】従来からの18歳以上を対象とした知的障害者施設では, 運営年数を追うにつれて, 施設利用者の高齢化や障害の重度化が進む傾向にある. 最近, 江戸川区内の関連施設にて, 窒息になり意識が回復せず植物状態になったり, 死亡した例が報告された. そこで, それら施設では, 摂食機能障害の対策が, 利用者と職員の間で急務となり, 摂食機能健診の要望がだされることとなった. 今回, 初の試みとなった当センターでの摂食機能健診診断の実際を報告する. 【方法】4福祉施設利用者279名中, 各施設より, 当センターの口腔機能スクリーニングを参考に, 摂食状態に不安を掲げた20名に摂食機能健診を実施した. 健診対象者は, 施設職員同伴により当口腔保健センターに外来し, その際に施設での食物の一部持参を依頼した. 実施期間は, 平成19年12月から平成20年5月まで, 計10日の摂食・嚥下リハビリテーション外来日における午前11時から12時である. 健診内容は, 摂食行為, 咀嚼, 嚥下, 食事メニューについてである. 各項目の注意事項の説明と指導を行い, 結果については, 健診用紙にて施設及び家族に通知した. 【結果及び考察】対象者20名は, 平均年齢33.6歳で, 身体障害者手帳1級愛の手帳2度の知的および四肢体幹機能障害であった. 最も多かった指導項目は摂食姿勢であり, 改善やトレーニング, 定期観察の必要性が指摘された. また, 窒息等のリスクを考える余り, 実際の摂食機能よりも過小評価された食物メニューが提供されていたり, トレーニングを受けることにより, 機能のレベルアップが予想される対象者も見受けられた. 今後も, 福祉施設に対する地域医療連携施設としての役割と, より効率的な摂食機能健診方法について検討していく所存である.
ISSN:1343-8441